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副業コンサルの集客は「人脈」で決まる
副業の中でも、人気業種の1つがコンサル系の仕事です。例えば「Webマーケティングのノウハウを教える」ことであったり「ビジネス英会話を教える」ことであったり、最近ではゴルフなどスポーツ系を教えるのも人気があります。
このように様々な分野で活躍できる「副業コンサル」ですが、この副業コンサルを選択した場合に一番悩む点は「集客をどうすれば良いのか?」という点です。
有効な方法の1つは例えば「大人の家庭教師トライ」や「TIME TICKET」などに登録して仕事を請け負うことです。集客を仲介業者に一任することで、自身で集客を行う必要がなくなります。
出典:トライグループ
ただ、仲介業者を入れると、そのルールの範囲内で仕事をしなければいけなくなります。
例えば、料金設定も自由には決められない事が多いため、自然に副業から得られる収入額に上限が生まれてしまいます。あるいは「こういう新しいコンサル商品を提供したい」と思っても、規約上、サービスを提供できないことも多々あります。
そこでスタートアップ時にはこう言った仲介業者に集客を依頼しつつも、仕事に慣れてきたら次のステップアップとして独自で集客を始めたいものです。そうすれば、自分の好きなコンサル商品を販売できる上、料金設定なども自由に決めることができます。
そもそも副業コンサルは、毎月10人も、20人も新規顧客を集める必要がありません。副業時間が限られているため、それだけの人数に対してサービスの提供をすることは困難だからです。せいぜい月に1件から2件集客できれば、こと足りることが多いのではないでしょうか。
こう言った特性を考えたとき、副業コンサルにとって打ってつけの集客方法が「人脈を築いて紹介してもらう」という昔ながらの方法です。そこで、今回は「副業コンサル」で成功するための人脈作りの秘訣についてお伝えします。
普段から人脈作りができている人は「10%未満」という事実
副業コンサルにとって打ってつけの集客方法は「人脈を築いて紹介してもらう」というものです。
多少、時間はかかりますがコストがかからない上、広告などで集客するのとは違って最初からある程度、お客さんとの信頼関係が築けた状態で仕事を始めることができるのです。これは、副業コンサルにとって、ストレスの少ない理想的な仕事の進め方です。
このように紹介による集客は良いことづくしなのですが、実際に普段から人脈作りに励んでいる人は多くありません。森ビルアカデミーヒルズの調べによれば、一般的な社会人が会社以外で積極的に人脈作りをしている人はわずか9.2%に留まっています。
出典:森ビル株式会社
しかし、あなたが副業コンサルを目指すのであれば、この人脈作りに多くの時間と労力をかける必要があります。人脈を築くことが副業コンサルの集客に直結するからです。
また「いつか余裕が出来たら人脈作りをはじめよう」では遅すぎます。人脈作りは農業と同じだからです。農場では春に種まきを行っても、翌日に収穫できるわけではありません。秋になってようやく収穫できるのです。
人脈も同じで、人脈作りをはじめたその翌日からスグにお客さんの紹介をしてもらえるわけではありません。知り合いになって、信頼関係が築かれた後で、初めてお客さんになってくれそうな人を紹介してもらえるのです。ですから副業コンサルをはじめたら、それと同時に人脈作りを開始して将来に備えることが肝心です。
人脈作りのために最初に取り組むべき事はコレ!
具体的に人脈作りをはじめる際、最初に行うべき事はペルソナ設定です。ペルソナとは、自分のコンサルを受けてくれる理想のお客さん像を明確にすることです。
あなたのお客さんは、誰でも良い訳ではありません。
例えば「海外留学の方法を教えるコンサルタント」になるのであれば、海外留学をしたいと思っている人を対象にしなければいけません。あるいは「ネットショップの運営方法を教えるコンサルタント」になるのであれば、ネットショップを運営している人が対象です。
このように、自分のお客さんになる相手がどんな人物なのか?具体的にイメージする必要があります。お客さん像を明確にすればするほど、人脈が作りやすくなるからです。
例えば、お客さん像を一切明確にしなければ「とにかく、誰でも良いから人脈さえ作れば良いのだ」と誤解してしまいます。このような発想だと「異業種交流会などに参加する」という手段をとってしまうかも知れません。
もちろん、異業種交流会でも偶然、自分のお客さんになってくれる人を見つけることができるかも知れません。しかし、通常、異業種交流会には、多種多様な目的を持った人が集まります。確率的に、あなたのコンサル分野に興味を持っている人の数は少なくなってしまうと言わざるを得ません。
しかし、例えば「海外留学をしたいと思っている人と人脈を築きたい」のように明確にお客さん像が定まっていたら「国際交流ボランティア」「国際交流懇親会」など、自分が求める人脈が築けそうなイベントに参加することができます。多種多様な人物が集まる異業種交流会と違って、確率的に仕事に結びつけられる可能性が遙かに高いはずです。
では、具体的なペルソナ設定の方法についてお伝えします。まずは、一般的なペルソナの例を見てみましょう。
年齢:48歳
性別:男性
学歴:日本大学工学部
居住:神奈川県の一戸建て
職業:システムエンジニア
肩書き:部長
世帯年収:600万円
家族構成:妻、息子2人
備考:山田 太郎は真面目な性格。家族を大切にしている。向上心が強く海外のメーカーにヘッドハンティングされて将来はアメリカで働くことが目標。
ペルソナを設定する際には、このようにかなり具体的に決めていきます。もちろん、この条件にピッタリ当てはまる人物と知り合えることはないかも知れませんが、ペルソナを具体的に設定することで、お客さんの行動がイメージしやすくなるのです。ですから、上記の例のように、年齢・年収・職業など具体的に決めるようにしてください。
ペルソナを設定する際には、一般的には次のような要素を入れていきます。
- ジオグラフィック変数・・・生まれた国・地域、育った国・地域、都市部・田舎、気候など
- デモグラフィック変数・・・年齢、性別、国籍、職業、所得水準、学歴、家族構成など
- サイコグラフィック変数・・・ライフスタイル、社会的階層、価値観、性格、好みなど
このような、ジオグラフィック変数や、デモグラフィック変数などを考慮して、自分の理想的なお客さん像を描いていくようにしてください。具体的にイメージができているほど、お客さんの行動パターンが想像しやすくなり、ペルソナに近い人を見つけやすくなります。
また、ペルソナ設定ができれば、今度はそういったお客さんが集まりそうな場所を特定していきます。
例えば先ほどペルソナ設定で取り上げた「山田 太郎」であれば、海外で働くことを夢見ているわけですから「海外」ということをキーワードに集まりそうな場所に自らも参加してみることができます。あるいは「システムエンジニア」というキーワードをもとに、IT系のイベントなどがあれば、そこに参加してみるのも良い方法です。
現場でスグ役立つ社交術
ペルソナ設定を行い、その理想的な顧客が集まりそうな場所をいくつかピックアップ出来れば、いよいよ実際の人脈作りが始まります。
しかし、そのような場で突然「私はコンサルを受けたいお客さんを見つけるために、今日ここにやって来ました。誰か知り合いを紹介してくれませんか?」などとセールストークを展開したのでは全てが台無しです。これではいきなり「商品を買って下さい」とお願いしてくるセールスパーソンと同じで、煙たがられてしまうだけです。
適切な自己紹介をして、まずは信頼関係を築くことを目指してください。仕事の話は信頼関係が築けてからとなります。
そこで、ここでは適切な自己紹介の仕方と信頼関係の築き方をお伝えしておきます。
人脈作りで成功する「自己紹介の仕方」
まずは自己紹介についてですが、苦手な人も多いのではないでしょうか。しかし、私が紹介する方法は苦手な人も簡単に実践出来る方法です。それは「事前に自己紹介文をつくって暗記しておく」ことです。
実際に紙に書き出して、自分の紹介文を一通り完成させましょう。自己紹介と言っても、たいていは30秒から1分以内で完了することが多いと思います。長々と5分も10分も話し続けるのでは逆に嫌われてしまいます。そこで、1分以内に収まるような自己紹介文を事前に紙に書き出し、それを丸暗記します。
とても簡単な方法なのですが、1つか2つパターンを作っておけば自己紹介の場面をスムーズに乗り切ることができます。しかも、自分を印象づけるキーワードを含めておけば、相手の記憶にも残りやすくなります。
このように、自己紹介が上手くいくかどうかは準備で決まると思ってください。
人脈作りで成功する「信頼関係の築き方」
次に、信頼関係を築く方法についてお伝えします。信頼関係を築く際に重要なのは、自分がしゃべることよりも相手にたくさんしゃべってもらう事です。相手にしゃべってもらった方が、自分に対して好感を持ってもらいやすいからです。
では具体的にどんな質問をして相手にしゃべってもらうと良いのでしょうか?お勧めは次の5つの質問です。
質問1.今の仕事を始めたきっかけは何ですか?
特に社長業などをしている方に有効な質問です。もちろん社長業をしていなくても、今の仕事につくために、誰もがそれなりに試行錯誤して決めたハズです。だからこそ、その「こだわり」や「きっかけ」を聞くことは話しが弾む要因になります。「どうして今の事業を始めたのですか?」「今の会社に入ることを決めたのはどうしてですか?」などのように問いかけてみてください。
質問2.今の仕事のやりがいは何ですか?
質問1に続き、この質問2を伝えると話しがさらに膨らみます。苦労話をしてくれることも多々ありますが、話している表情は一様に明るいです。具体的には「大変苦労も多い仕事だと思いますが、それでも今まで頑張ってきた理由は何ですか?」「この仕事をやっていて良かったと思える瞬間はどんな時ですか?」などの質問が考えられます。
質問3.競合との違いは何ですか?
この質問は相手に自慢話をしてもらうためのものです。多くの人は「うちの会社は他と違ってこういう所にこだわりを持っている」という何かしらの「こだわり」があります。そこで、そのこだわりを聞き出すようにします。具体的には「同じ商品を売っている会社はたくさんあると思いますが、あなたの会社の商品は何が違うのですか?」「その商品の一番のセールスポイントは何ですか?」などの質問が考えられます。
質問4.これから仕事でどんな展開を考えているのですか?
仕事を通した相手の夢を聞きます。将来はこういうポジションにつきたい、お客さんに100年愛される商品を作っていくなどその人が持っている夢や希望を聞いていきます。具体的には「将来は、会社で何かやってみたいことはあるのですか?」「次にあなたが考えている展開は何ですか?」などの質問が考えられます。
質問5.業界の次のトレンドは何ですか?
テレビでも今後の業界動向を尋ねられるのは、その道の大御所であることが多いものです。そこで、業界の専門家として相手の意見を聞いてみます。具体的には「今後、業界はどう変わっていくと思いますか?」「業界をリードし続けるために、今、何が重要だとお考えなのですか?」などの質問が考えられます。
また、仕事の質問が難しい場合は、「家族」に関する質問と「余暇の過ごし方」についての質問がお勧めです。仕事が何であれ、どちらも多くの人が関心を持ってくれる点だからです。
家族の話であればたいていは「子供がサッカーの選手に選ばれた」とか「最近は子供の食欲が出てきて、たくさん食べるようになった」などの話しが多く、会話が明るいものになりやすいです。
家族の話の次に有効なのが「余暇の過ごし方」についてです。
これは相手の趣味などを知ることができます。ソフトボール、テニス、スキー、山登りなど、相手が今夢中になっていることを話してくれます。
もちろん、自分も同じ趣味があれば話は弾みやすいですが、興味が無い分野であっても「どうしてはじめたのですか?」「楽しいのはどういう所がポイントなのですか」「私にもできますかね?」などの質問をしていく事で、話しを膨らませていくことができます。
まとめ
今回は、副業コンサルをはじめる人のための人脈作りについてお伝えしてきました。副業コンサルにとって人脈作りは、そのまま集客に結びつきます。しかも、仲介業などに依頼するよりも、ずっと良い条件で仕事を受けることもできます。中長期的な視点でコツコツと取り組んでください。
人脈作りの主な手順は次の3つです。
- 手順その1.顧客のペルソナを設定する
- 手順その2.顧客が集まる場所に自分も参加する
- 手順その3.信頼関係を築く
また、信頼関係を築くには「自己紹介の仕方」と「相手への質問」がポイントです。自己紹介が苦手な場合は、30秒から1分程度で伝えられるメッセージ文を先に下書きして決めておきます。それを丸暗記しておけば、実際の現場で戸惑うこともありません。また、信頼関係を築くには、自分が何を発言するかよりも、相手にどんな質問をするかの方が大切です。そこで、仕事に関する5つの質問を取り上げました。
- 質問1.今の仕事を始めたきっかけは何ですか?
- 質問2.今の仕事のやりがいは何ですか?
- 質問3.競合との違いは何ですか?
- 質問4.これから仕事でどんな展開を考えているのですか?
- 質問5.業界の次のトレンドは何ですか?
このような5つの質問を通して相手の仕事に対しての考えや知識を多く語ってもらう事が、そのまま信頼関係を築くことに役立ちます。
また、仕事の話しが難しい場合は「家族」「余暇の過ごし方」を話題にしてください。談笑が苦手だという人は、事前にこの3つの分野の会話をすると決めておけば、気持ちに余裕を持って臨むことができるはずです。