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今回は、クラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」を紹介していきます。
マクアケは2013年にスタートした、購入型クラウドファンディングです。株式会社サイバーエージェントが運営していることもあり、充実したサポート体制や、アメブロやWebメディアを利用したプロジェクトの拡散力が魅力と言えます。
この記事では、マクアケの特徴やメリット、利用方法、成功したプロジェクトなどをお伝えしていきます。まだ世に出ていない新しい商品が欲しい、珍しいサービスに期待している方など、ぜひともマクアケをお試しください。
出資者が利用しやすいクラウドファンディング|Makuake(マクアケ)の特徴
Makuake(マクアケ)は、2013年8月に株式会社サイバーエージェントによって設立しました。サイバーエージェントといえば、アメブロなど「Ameba」のサービスが有名で、日本では大企業に分類されます。そのため、クラウドファンディング事業者としての信頼も高いという特徴があります。
マクアケではプロジェクトの資金調達率が高く、2014年には当時のクラウドファンディング最高額である3,132万6,500円の資金調達に成功しました。また、2015年には過去最高額3,622万4,000円を調達したり、飲食部門・プロダクト部門・映画製作部門で国内ナンバーワンの資金調達を達成。
現在も勢いが衰えることはなく、既に10件以上のプロジェクトが1,000万円以上の資金を集めています。
では、マクアケにはどのような特徴があるのでしょうか。以下より詳しく解説していきます。
マクアケは購入型クラウドファンディング
クラウドファンディングには、「寄付型」や「株式投資型」など4つの種類がありますが、マクアケは「購入型クラウドファンディング」です。
購入型は、企業や事業者がプロジェクトを立ち上げ、支援者はその内容が良ければ出資を行います。その後、プロジェクトが人気を集め、目標調達額に到達すれば終了です。支援者には、企業が開発した商品やサービスがリターンとして支払われます。
つまり、購入型はリターンが商品やサービスの利用権になるということです。株式や配当金が配られる株式投資型、利息が受け取れる融資型とは、少し特徴が異なります。どちらかといえば、購入型はオンラインショッピングに近い形となります。
たとえば、ワインを製造しているメーカーが事業の資金調達でお金が集まれば、支援者に自社開発のワインを配ることができます。他にも映画チケットや商品券、洋服、書籍など、様々なリターンが用意されています。
マクアケのプロジェクトテーマ
マクアケで発案できるプロジェクトは多彩です。ジャンルは、ファッションやアート、音楽、スポーツ、アニメ・漫画、出版、ゲームの他、社会貢献を扱ったテーマ、企業のスタートアップ用の資金調達など、幅広く用意されています。
たとえば、企業の新商品紹介だと、
上記のようなプロジェクトが人気です。
また、毎月定額で地域の拠点に住居を移せるプロジェクトも盛況です。
マクアケで人気のリターン
多くの支援者を募る場合、どんなリターンを用意するかもプロジェクト発案者の腕次第です。では、マクアケではどんなリターンに人気が集まっているのでしょうか。
Vinpok(ビンポック)が開発した最新型ワイヤレスキーボードです。40回以上もの試用タイピングを経て、究極の打ちやすさ(タイプしやすさ)を実現。適度で心地よい打鍵感と打鍵音を両立し、本体もコンパクトなので、バッグに入れて持ち運びも可能です。
カルレイモンは、2017年に国内外のクラウドファンディングから1,000万円以上を調達して立ち上げた日本製のブランドで、クラシックでミニマルな腕時計を手頃な価格で提供します。抗アレルギー性のステンレススチール「316L」や、反射防止のサファイアガラスなど、素材にもこだわりが見えます。
Makuake(マクアケ)のメリット|他社との比較
マクアケのメリットは何といっても運営企業の規模の大きさです。サイバーエージェントといえば、日本では大手、海外でも高い知名度を誇ります。クラウドファンディングを行っている事業者は、その事業だけを専門に扱う小さい企業が多いので、ITを得意とするサイバーエージェントが参入した意義は大きいでしょう。
【サイバーエージェントの主要事業】
メディア事業 | ・ Ameba(アメーバ) ・ 株式会社AbemaTV ・ AWA株式会社 ・ 株式会社AMESTAGE ・ 株式会社7gogo ・ 株式会社マッチングエージェント ・ 株式会社BookTable ・ 株式会社Uniface ・ 株式会社タクスタ |
インターネット広告事業 | ・ 株式会社CyberZ ・ 株式会社CAリワード ・ 株式会社サイバーバズ ・ 株式会社マイクロアド ・ 株式会社AMoAd ・ 株式会社CCPR ・ 株式会社CyberBull ・ 株式会社CyberSS ・ 株式会社シロク ・ 株式会社WAVEST ・ 株式会社シーエー・アドバンス ・ 株式会社App2go ・ 株式会社RightSegment ・ CA ADVANCE Vietnam Co., Ltd. ・ 株式会社渋谷クリップクリエイト ・ 株式会社Complesso |
ゲーム事業 | ・ 株式会社Cygames ・ 株式会社サムザップ ・ 株式会社ジークレスト ・ 株式会社アプリボット ・ 株式会社グリフォン ・ 株式会社グレンジ ・ 株式会社GOODROID ・ 株式会社アールフォース・エンターテインメント ・ 株式会社グリーンモンスター ・ 株式会社Craft Egg ・ 株式会社プレイモーション |
投資育成事業 | ・ コーポレートベンチャー・キャピタル事業 |
新規事業 | ・ 音楽配信サービスAWA ・ コミュニティサービス「755」 |
その他事業 | ・ 株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング ・ 株式会社Woman&Crowd ・ 株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ ・ 株式会社シーエー・モバイル ・ 株式会社ウエディングパーク ・ 株式会社CA Tech Kids ・ 株式会社サイバーエージェントウィル ・ 株式会社ハシゴ |
クラウドファンディングを運営する企業規模が大きくなると、「プロモーション」や「マーケティング」、「パートナーシップ」など、プロジェクトの成功率を高める施策が打ちやすくなります。たとえば、アメブロの広範なユーザー層をターゲットに、プロジェクトを広めることもできれば、膨大な顧客データを活用してプロモーションに活かすことも可能です。
このように、プロジェクトの成功率が高まると、出資者にとってもメリットがあります。出資者に送られるリターンは、プロジェクトの目標金額に達する必要があるため、たくさんの案件が成功すれば見返りを受け取りやすくなるのです。
では、ここからはマクアケが実施する大規模なプロモーション、マーケティング、パートナーシップの施策を紹介していきましょう。
プロジェクトを広く発信する「プロモーション」
マクアケを運営するサイバーエージェントは、アメブロの他に、ツイッターやフェイスブックなどのSNS、提携する大手メディア(新聞やテレビなど)、雑誌、Web上など様々な情報発信媒体を持っています。
このような巨大なネットワークを駆使することで、たとえ小さな企業の目立たないプロジェクトでも、大々的に世間にアピールすることができます。もし、そのプロジェクトの内容が多くの人の目に留まり、「面白い!」ということになれば出資額も増加していくでしょう。
プロジェクトの成功率を高める「マーケティング」
マクアケでは、プロジェクトを作成する事業者向けに「マクアケ・アナリティクス」という分析ツールを提供しています。このツールでは、プロジェクトに参加してくれた出資者の属性を細かく知ることができます。たとえば、出資者の性別、住んでいる地域、職業などが分かり、プロジェクトのマーケティングに活かせるということです。
また、アメブロを運営するサイバーエージェントは豊富なユーザー情報を持ちます。最近では、こうした膨大な情報をビッグデータと呼び、マーケティングや販売戦略に活かす企業が増えています。中小企業や零細企業など、顧客データが少ない事業者の場合でも、サイバーエージェントのサポートで効果的なマーケティング施策が行えます。
初めての事業者にも安心の「パートナーシップ」
マクアケでは、プロジェクト1件につき専属スタッフ1名がサポートを行う、パートナーシップ体制をとります。マクアケが培ってきたプロジェクト成功のノウハウや、膨大なビッグデータを駆使したアドバイスなど、マンツーマンで徹底的にカバーしてくれることが魅力です。
Makuake(マクアケ)の口コミ・評判
マクアケの口コミや評判について、実際にプロジェクトを発案し、資金調達した方の意見が紹介されています。
たとえば、マクアケでLED照明のプロジェクトを発案した「Siphon」の戸谷氏です。
会社には「クラウドファンディングで最初の発注にかかるコストをまかなおう」と提案しました。(中略)……クラウドファンディングだったら、最初は売れた分だけつくればいい。そのあたりが会社に提案したメインの理由です。社長も、ユーザーの反応を見てから製品化ができるクラウドファンディングの仕組みを気に入って、「うちみたいなメーカーにはぴったりだよね」と。
他にも、腕時計ブランド「Knot」として資金調達に成功した遠藤氏もコメントを残しています。
私はMakuakeをはじめる半年くらい前からKnotの準備をすすめていたんですが、Makuakeのページをつくる過程の中で、改めてKnotのコンセプトや今後の売り方・訴求ポイントの整理ができたし、スタッフの意見も取り入れられました。
Makuake(マクアケ)で成功したプロジェクト
マクアケは2013年に設立したこともあり、大手クラウドファンディングの「Readyfor(レディフォー)」や「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」などに比べて、約2年の遅れをとっています。しかし、その2年間で1,000件以上のプロジェクトを成功させるなど、一気に注目を浴びました。
では、過去のプロジェクトでどんなものが人気が高かったのか、内容を紹介していきましょう。
世界一のメンズフェイシャルエステを造り、「日本の男はカッコいい!」未来を創る
プロジェクトを発案したのは、「BULK HOMME」という企業です。世界一の美容メーカーを目指し、男性向けにフェイシャルエステサロンを設立するということで、プロジェクトを立ち上げました。
もともと資金調達の目標金額を3,000万円に設定していましたが、あっという間に目標額をオーバーし、最終的には3,139万円もの資金を集めています。支援者は200人を超え、2014年の国内クラウドファンディング最高調達額にもなりました。
《世界最小クラス》ポケットサイズの折りたたみ椅子を日本に広めたい!
プロジェクトの発案者は、「メディアブリッジ株式会社」です。デンマークで発案されたデザイン式チェア「世界最小サイズの折り畳み椅子」を、日本で製品化するというプロジェクトです。
目標希望額は30万円と、かなり遠慮していたようですが、4,000人を超えるサポーターが集まり、最終的には2,800万円もの出資を受けました。
Makuake(マクアケ)のデメリット・注意点
マクアケのデメリットですが、出資者と事業者それぞれの観点からお伝えしていきましょう。
まず、出資者のデメリットは金銭的なリターンを受け取れないことです。たとえば、株式投資型クラウドファンディングでは、プロジェクトに投資すると見返りに、その企業の株式が受け取れます。その後、企業がIPOなどで上場した後、株式を売却した利益が正規のリターンです。
また、融資型クラウドファンディングでも、プロジェクトに応募すれば見返りに利息が受け取れます。銀行預金のような形で、投資した金額に応じて金利分の利息が還ってくるのです。
一方、購入型クラウドファンディングであるマクアケは、商品やサービスの利用権を得られても、金銭的なリターンはありません。そのため、クラウドファンディングを投資用に活用するという方には不向きと言えるでしょう。
次に事業者側のデメリットです。
プロジェクトを考案する事業者にとっては、マクアケで成功した過去のプロジェクトや出資額などを参考にして案を練りたいと思うでしょう。しかし、マクアケでは利用者や過去の実績などが公表されておらず、なかなか情報にアクセスできないといった弱みがあります。
マクアケでもプロジェクトの総取引額や、プロジェクトの合計件数を公表することもありますが、細かいデータについては分かりにくい仕組みです。
Makuake(マクアケ)のやり方・始め方
マクアケの登録方法・始め方を紹介していきます。今回は、出資者(ユーザー)向けに登録方法をお伝えしていきます。
マクアケの登録手順は以下をご参考にしてみてください。
- 公式サイトから新規登録
- プロジェクトを探す
- 支援者の情報を入力する
- 支払完了(申込完了)
上のように4つのステップだけで済むので、誰でも簡単に出資することができます。では、それぞれの手順について詳しく紹介していきましょう。
1.公式サイトから新規登録
まずはマクアケの公式サイトから新規登録していきます。
上の画像のようにフェイスブックやツイッターなどのアカウント情報を使って、簡単に新規登録も可能です。
SNSアカウントを使用しない場合は、右側のメールアドレスとパスワードを入力して登録しましょう。すると、登録用メールが届きますので、中に記載されているURLをクリックして本登録を完了します。
2.プロジェクトを探す
次にマクアケにログインし、プロジェクトを探していきます。
リターンを参考に選びたい方が多いと思いますので、カテゴリーを指定し並び替えてみましょう。目当てのプロジェクトが見つかると、その項目をクリックします。
すると、プロジェクトの画面上に「このコースに申し込む」という欄があります。
残念ながら「在庫切れ」になっているものは申し込めないので、選択肢から商品を選びましょう。
3.支援者の情報を入力する
商品(リターン)を選ぶと、今度は支払方法などを決めていきます。
商品のカラーや、クレジットカード払い、コンビニ払いなどを設定しましょう。
次に個人情報を入力していきます。
氏名や生年月日、住所など漏れなく記入しましょう。
4.支払完了(申込完了)
個人情報の入力が完了すれば、プロジェクトへの出資は完了です。プロジェクトの進捗状況や成否はメールにて連絡が来ますので、楽しみに待ちましょう。
Makuake(マクアケ)紹介まとめ
今回は、クラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」を紹介しました。
マクアケは購入型のクラウドファンディングで、プロジェクトに出資することでリターンとして商品やサービスの利用権が受け取れます。たとえば、時計ブランドのプロジェクトに応募すると、その時計が受け取れることが多いです。そのため、オンラインショッピングのような感覚で利用できます。
ただし、プロジェクトが成功しなければ(目標金額に届かなければ)、リターンも受け取れないので、様々なプロジェクトを比較し、有望な案件に応募するようにしましょう。