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金やプラチナの価格が下がると、多くの投資家は購入に急ぎます。そんな時期には、今のうちに金・プラチナを買っておいた方がいいと耳にする機会も増えて、どうしてなのかと不思議に思う人もいるでしょう。
投資の経験がなくとも、金やプラチナは誰でも知っているものだから、意外と簡単に始められ投資の1つなのです。今回はどうして、金・プラチナが投資の堅実な方法として名高いのかを解明していきたいと思います。
金・プラチナの価値
なぜ、金・プラチナに投資するのか
金やプラチナなどの貴金属は昔から価値あるものとして取引されてきました。貴金属は見た目に美しいだけでなく、機能性の高い金属としてさまざまな用途で使われてきたものです。
投資といっても、株式投資や債券などいろいろありますが、基本的には実物のない数字の取引です。それに対して貴金属は実際に目に見える現物としての取引が可能です。
さらに、金・プラチナ等は持ち運ぶこともできて、金・プラチナを所有する証書のみの購入も可能です。簡単に誰でも取り扱うことができる商品として、資産として持つことが当たり前に考えられているのです。
また、金・プラチナなどが株式や債券と大きく異なるのは、企業やその運営者、国の政治や経済動向に左右されにくいことです。貴金属そのものが単体で高い価値をもっていることが金・プラチナの大きな魅力なのです。だから、永久不変に価値が変わらないものとして、投資家たちの間で常に人気がある金融商品なのです。
どれくらいの価値があるのか
貴金属小売価格の推移
金
プラチナ
ここ1か月くらいでは、金の価格は1gがおおよそ4,950円~5,050円前後、プラチナの価格は3,510円~3,580円前後で動いているようです。
銀
銀も投資として、取り扱われる貴金属の1つです。安いから10g買ったとしても費用は1万以下におさえることができます。
銀の価格はしばらく65円~66円くらいでした。ところが、6月5日以降には価格がのぼり始めて、70円に向かっているのです。金やプラチナは資産としての価値はあるだろうけど、高いから手が出ないという方は銀の購入を考えてもいいかもしれませんね。
金・プラチナの用途
一番、身近なものがジュエリーなどの装飾品です。
指輪、ネックレス、イヤリング、時計、ネクタイピンなど。
金やプラチナは熱や電気の伝導性が高く、その上、サビに強い金属です。ほとんどの電気機器では金やプラチナが使われているのです
→ スマートフォン、PC, 携帯電話、デジタル機能の電気機器、テレビ、DVDプレイヤーなど
金・プラチナの歴史
古代にさかのぼる金
人類の歴史上、初めて金が装飾品として使われるようになったのは、紀元前のエジプトだと言われています。ツタンカーメンの黄金のマスクは有名ですが、その他の支配者たちの間でも、永遠に輝き続ける金は重宝されました。
鉄や銅や錫などのその他の金属に比べて、金は希少であることから、その値段が高くなっていきました。当時は、王族や権力者たちにしか手にすることはできないものでしたが、やがて、人々の間では高価な金属として物々交換などで取引されようになります。
そして、高価な金はあらゆる様々な商品と交換できる、今の貨幣のような役割を果たしていくようになるのです。そのような金に対する価値観は世界中に拡がっていき、時代を経て産業となるに至ったのです。
ヨーロッパやアメリカでの金
中世のヨーロッパでは、その他の金属から価値の高い金がつくれないものか、熱心な研究が行われました。当時から、高価なものと交換できる金は貨幣として、広くヨーロッパで普及しまし、同時に偽物の金もたくさん作られました。
アメリカでは1800年代の中頃に、金塊を掘り当てることがブームになりました。一攫千金を狙って、世界中から人々がカリフォルニア州に集まりました。農民、労働者、商人、乞食や牧師までもが金を掘り当てることを夢みていたのです。
徳川時代の金
日本では江戸時代に商業を発達させた徳川家康が、金貨・銀貨の流通を広く普及させました。砂に含まれる砂金が高い値段で売れたことから、金が万能の取引物として注目されていたことが始まりだったそうです。
その砂金からとれた金を使い、多くの絵画が作成されたのも徳川時代です。外国の人々は、金がふんだんに使われた当時の絵画に驚き、高い称賛の声をあげたとのことです。多くの江戸時代の絵画は外国政府や外国の資産家によって購入されました。
人を魅了する金の輝き
そして時代とともに、たやすく入手することのできる金属や紙幣が普及し始めますが、何年たってもあせることのない金の輝きは多くの人々を魅了し続けたのです。現代においても、王冠、金メダル、金のトロフィーなど、力をイメージさせるために金が使われています。
もし、日本という国が何かの理由で消滅してしまったとすれば(あり得ない例えですが・・・)、今、手元にある1万円札は何の価値もないただ綿密な絵が描かれた紙きれになってしまいます。
でも、貴金属の金・プラチナを持っていれば、どの国へ行ってもお金と交換することができます。
希少だからいつまでも高価な金
貴金属は、価値があるものとしての長い歴史があります。
希少であるがゆえに、その高価な価値はいつまでも変わらないのです。今の最新の科学技術を用いても貴金属を作ることはできないのです。
戦争がおきてしまったり、地殻変動による経済的な危機に陥ってしまったり、手持ちも株式や債券がただの紙切れとなってしまうことはあり得ることです。
万が一に備えて、多くの投資家が、貴金属を安全で信頼できる資産として購入するのです。
プラチナは金と同等の価値があるのか
プラチナが貴重な貴金属として再認識されたのは、1,700年代に南アメリカで多くのプラチナが発見されたことによると言われています。その後ロシアの山奥でも、大量のプラチナが発見されたことが一般的に普及し始めるきっかけとなりました。
サビにくく、輝きを失わないという意味では金と同等の価値があります。金よりも入手が難しいこともあり、時には金よりも価格は高くなります。
用途によって、金やプラチナ、銀の使われ方も異なります。装飾品としては、個人の好き嫌いもあり、一概にどちらに価値があるのかは判断しづらい部分があります。
金・プラチナの投資方法
いろんな方法で、金・プラチナに投資することができます。
- 貴金属専門店などで現物を購入する
- ジュエリーショップでアクセサリーを購入する
- 貴金属の証券を購入する
- 投資信託で金・プラチナの銘柄を購入する
貴金属属専門店
予算に応じて、積み立てやローンなどで現物の購入ができます。インゴット、バー、コインなどがあり、基本的に100gからの購入が可能ですが、店舗によって支払い方法や手数料が異なります。
ジュエリーショップ
多くの女性にとって、金やプラチナのアクセサリーは投資以上に意味のあるものです。何かの機会に、生涯の資産として、思い出を記念するものとして、美しいジュエリーを購入しておくのもいいでしょう。身に付けるのは特別な日だけにして、資産として大切に保管しておくようにしましょう。
貴金属の証券を購入する
例えば金100gと同等の価値がある証書を、証券会社や銀行で購入することができます。貴金属の保管場所もいりませんし、世界的に通用する証書なので、長期で保有する資産として安心です。現物化が不可能なものもありますので事前に確認しましょう。
金プラチナの投資信託を購入する
投資信託で金やプラチナ、銀の貴金属をテーマにしたものがあります。先物とは将来の価格予想してされる取引です。プロの投資家に任せることによって、効率的にメリットのある投資を期待することができます。
金・プラチナの投資を始めるにはこのように様々な方法がありますが、今回は、とくにおすすめの貴金属投資を特別にご紹介したいと思います。
これまでも簡単にご説明したように、貴金属とは単体でも十分に価値の高いものとなります。そこで、さらに付加価値をつけることで、その投資をより成果の高いものとすることができるのです。
美術的価値のある貴金属投資
アンティークコイン
古い年代のもや、発行枚数の少ない希少なコインは、時折マニアの間で信じられないような金額で取引されます。年数がたつことによって、新たに入手することが難しくなるからです。
長期で保有する資産として、金かプラチナのコインを何か1つ購入しておくといいでしょう。好きな国の好きなデザインのコインを探してみましょう。
- 1964年東京オリンピック 1,000円銀貨→ 1万~3万で取引されています。
- 2000年 ミレニアム記念で発行されたエリザベス女王陛下の5ポンドコイン→入手不可能で、オークションなどで高い値が付きます。
- 1800年代の金貨は現在30万前後、1500年代の金貨では1,000万近くするものもあります。
アンティークワールドコインセンター 参考URL
アンティークジュエリー・時計
大量生産で物があるふれる現代においては、いつでも買えるものより、古い年代もののジュエリーや時計が高価な値段で取引されます。金、プラチナの価値に宝石、デザインの価値が加わるのです。
見た目が美しく、他では購入できないものを探すのも貴金属投資の1つの方法です。アンティークジュエリーのコレクターによっては、他人にとってあまり価値があると思えないものでも、高い値段がついたりします。
- クロノスイス オレア→土台が金で、ネジは手巻きの腕時計が50万くらいで取引
- ミキモト バールダイアモンドリング→ 18金の指輪 10万くらい
- タサキ ダイアモンドネックレス→ 24金のネックレス 5万~10万くらい
シンワアートコレクション 参考URL
貴金属の工芸品
貴金属を使った額縁や、インテリア、置物などを見てみても面白いかと思います。お仏壇を揃えて、法事をしっかりと行われる方には、金の仏具を1つ購入されてもいいのではないかと思います。
家族代々の資産として後世に残していくことができます。細かい細工のミニチュアの仏像などは、仮に購入されなくとも一見の価値はあると思います。
- 仏像、動物の置物、仏具などを金・プラチナ・銀でつくったもの 値段は交渉による
クロタニ 参考URL
注意点
- その時の貴金属の価格によって、元本割れのリスクが生じます。
- 貴金属の購入の際は手数料がかかる場合があります。
- インゴットやバーは国際証書の確認が必要です。証書があるのとないのでは売れる価格も異なってしまいます。
- ジュエリーや時計、コインや美術品などは、証明書、箱、ケース、保存状態が価格を左右します。
- 手袋を使い、大切に取り扱いましょう。菌がついたり、傷がついたりすると劣化の原因となってしまいます。
最近ではリサイクルが一般的に普及していることもあり、様々な種類の買い取り業者がいます。家族代々に伝わるものや、頂きものや、遺品の中には美術的価値の高いものが含まれていることがあります。
そのような美術的価値の高い貴金属等は、一般の業者に価値がわからないことが多々あります。出所のわからない貴金属を売る時には、業者をしっかりと選ぶ必要があります。伝統のある古美術商などに相談するようにしましょう。
金・プラチナと経済の関係
その他の経済事情と比較しながら、実際にどのように金・プラチナの価格が動いてきたのかを見てみたいと思います。
原油の価格とドル高円安
※このグラフは上が原油の価格で、下がドルに対する円の価格になります。原油とドル高円安の動きはほぼ同じ動きをしています。
近年は電気自動車の出現により、原油の価格の影響は緩和されてきましたが、それでも、世界の経済は原油の価格にまだまだ左右されてしまいます。
金の価格
世界的になにか不安な要素が出てくると、原油の価格が下がる原因となってしまいます。そうすると今度は円の価格が上がってしまいます。円の価格が上がると、輸出で経済を支えている日本の日経平均株価が下がってしまいます。
そんな中で不安を感じる投資家たちは、安全資産である金に逃げ込みます。金に逃げ込んでくる人が増えると金の価格は上昇します。常にそうとは限りませんが、金はそのような動きをすることが多いのです。
まとめ
株式にしても、債券にしても、どんな金融商品もいろいろな事情で上がったり下がったりしてしまいます。世界中の市場で数えきれないほどの人達が毎日、何らかの売買をしています。
例えば、その投資に使う金額が1万とか、10万とか、高くても100万くらいであれば、損を出したとしても人生が終わってしまうわけではありません。でも、仮にその金額が1億、10憶、100憶の金額となった場合はそれこそ身の破滅です。想像もできない世界です。
実際に大規模な金額で投資をしている人達は存在し、そんな人達にとってはささいな出来事でも、10憶円を失いかねないのです。不安要素が世界で発生すると、身を守るために多くの人が株や証券を売り始めます。
そうなることで、株価やその他の価格が急落したとします。仮にそんな中でも、もし金・プラチナに投資をしていたら、もしかしたら大きな損失を埋めてくれるかもしれないのです。だから、稼ぐ投資家は金・プラチナを購入しておくのです。