引っ越し時にかかる費用は少しでも抑えていきたいと考える中、気になるのがインターネットの移転にかかる費用です。電気やガスは解約して新しく契約し直せば済みますが、インターネットの場合はどうなるのでしょうか。
インターネット回線はスマホや携帯などのモバイル通信とは異なり、自宅へ直接回線を引かなければなりません。そこで、それぞれの引っ越し先の状況によって様々な疑問生じてしまいます。
移転の費用は別途でかかるの?
移転する場合も違約金はかかるの?
転居先はネット回線込みなんだけど・・・
転居先で何が使えるかわからないんだけど・・・
そんな疑問にお答えできるように、今回は引っ越し時のインターネットの対処法について、それぞれの状況に合った方法を解説していきます。ぜひ、引っ越し費用を少しでも安く抑えていけるようお役立て下さいね。
引っ越しでインターネットはどうなる?
引っ越しが決まったら、今まで使っていたインターネットをどうするか決めなければなりません。
まずは、引っ越し先のインターネットがどうなるのかわからない人を対象にご説明していきます。
引っ越しでインターネットをどうすればいいのかは2つの方法があります。
- 現在使っているインターネットを移転手続きする
- 現在のインターネットを解約して新しく契約し直す
どちらの方法がいいのかは、現在利用中のインターネット回線にもよります。
従って、最初にするべきことは、現在利用中のインターネットを移転した場合に費用がかかるかどうかを問い合わせることです。
そして次にするべきことは、転居先で使えるインターネットの種類を調べておくことです。
インターネットの移転にかかる費用は?
それぞれ、利用している通信会社や契約内容、料金プランなどによって移転にかかる費用は様々です。
工事の内容としては、屋内配線工事が必要かどうかによっても移転にかかる費用は異なります。
屋内配線工事とは
屋内配線工事とは、建物のそばの電柱までは配線がきているけれど、電柱から建物への配線がされていない場合に必要な工事のことをいいます。
古い戸建や集合住宅などで、しばらく誰も住んでいなかったような住居の場合は屋内配線工事が必要な場合も多くなります。各通信会社に新しい住所を伝えてみると、配線の状況を調べてくれます。
屋内工事の状況等を調べる時点では、まだ移転手続きをするかどうかは決めないようにしましょう。現在、どうするのか検討していると伝えて調べてもらうようにしましょう。
屋内配線が済みの場合
新しい集合住宅などで多いのが、すでに屋内配線工事が施行されている場合です。その場合はジャックにモデム回線を接続するだけですぐにインターネットが利用することができます。
その場合は屋内配線工事は必要ないことになり、移転にかかる費用も少し安くなります。
概ねのところでは大手キャリア(NTT、KDDI、ソフトバンク)の場合は以下のようになります。
NTTフレッツ光の移転費用
NTTフレッツ光をそのまま移転する場合にはプランによって、戸建てで屋内配線工事なしの場合は6,500円、屋内配線工事をする場合は、9,000円くらいかかります。
法人契約であれば最大で18,000円となります。
移転費用は分割で30回に分けることが可能で、一般向けの回線であれば月額料金にて240円~350円程度に抑えることができます。
詳しくはNTTフレッツ光の公式サイトをご覧ください。
※固定電話やその他サービスを利用する場合は移転費用が異なりますので、確認が必要です。
KDDI/au光の移転費用
au光の場合は、NTT回線に比べると屋内工事が必須となる場合が多くなります。
移転にかかる費用は、戸建てで37,500円、マンションで30,000円、マンションミニギガで30,000円と割高の費用がかかってしまいます。分割にて月々600円~1,200円程度での支払いも可能です。
ただ、その時のキャンペーンや料金プランについている特典などによって割引などが適用されることがあるので、必ず確認するようにして下さい。
au光の移転費用についてはこちら。
SoftBank光の移転費用
ソフトバンクの場合は今のところ、転居先で使えるようであれば移転費用は無料のキャンペーンがあります。
通常かかる移転工事費は24,000円ですが、今だと工事費無料にて移転手続きをして頂けます。その他、光電話や光テレビなどの契約がある場合は、別途で手数料がかかるので注意して下さい。
ソフトバンクの引っ越しキャンペーンはこちら。
その他の回線の移転費用
NURO光
NURO光では通常かかる移転費は現在だと無料キャンペーンが適用されます。とくに期間の定めはありませんが、念のため詳細を確認するようにして下さい。
So-net光
au回線を利用したSo―netの場合は移転費が30,000円~35,000円くらいで、分割での支払いOKです。
NTT回線を利用したSo-netの場合は移転費が9,000円程度かかります。
ドコモ光
ドコモ光の場合、戸建てで9,000円、集合住宅は7,000円の移転費がかかります。
といったように、移転費が無料の場合もありますが、移転費がかかる場合の方が多いようです。
解約した方がお得な場合もある
以上のように、それぞれ利用中の通信回線によって、移転費が無料の場合と工事費用がかかる場合とあります。
移転に費用がかかる場合には、引っ越しを機に新しい回線に契約し直した方がお得な場合が多くなります。仮に、それが同じau光であったとしても、一旦解約して新規で契約し直した方がキャッシュバックなどがついてくるからです。
基本的に、通信回線は新規契約の際にはお得なキャッシュバックや特典がついてきます。ですから、新規契約の条件によっては一旦解約した方が違約金を払ったとしてもお得だといえるのです。
工事費が無料になるものや、キャッシュバック、特典が充実している通信会社を探すことが可能です。
工事費無料の通信会社
現在、工事費無料で契約できる通信会社をいくつかご紹介しておきましょう。→契約条件などは定期的に変更されることもあるので、必ず事前に確認するようにして下さい。
NURO光→工事費無料で、しかもPlayStation4に交換できる分のソネットポイントが付与されます!
au光→au光は移転費用が高いのですが、新規契約では工事費無料でキャッシュバックなどの特典が充実しているのが特徴です。
コミファ光→コミファ光も工事費無料にプラス、キャッシュバックの金額が高いのでお得です。
BIGLOBE光→今後のことを考えて、引っ越し費用がいつでも無料のビックローブでも工事費は無料で、さらに割引かキャッシュバックが選べます。
DMM光→これを機に、縛り契約は2度とごめんだという人は、DMMなら工事費ゼロ円で、最低利用期間が最初の2年間だけなので安心です。
SoftBank Air→自宅に工事にこられたりするのが嫌いな人は、通信速度は若干遅いのですが、Wi-FI接続専用のソフトバンクエアが便利です。持ち運び可能だから今後の引っ越し時も安心です。
ちなみに、キャンペーンなどでインターネットをお得に切り替える方法はこちら。
もう2年縛りにうんざりの方は縛り契約なしのネットが探せます。
解約するとどうなる?
移転費がかかる場合は、むしろ解約して新たに同社または他社で契約した方がお得なようですが、でも解約するとどうなるのでしょうか。
通信回線は通常は2年縛り契約になっているのは、皆さんもご存知だと思います。2年間の自動契約になっている場合は、更新月以外の解約には違約金がかかります。
解約する際の違約金は9,000円~15,000円程度が一般的です。ですから、工事費無料で最低でも違約金の分がキャッシュバックされる回線を探す必要があります。
また、特別なキャンペーンなどを利用していたり、何かとセットでプランを組んでいる人は注意が必要です。正確な違約金の金額を確認するようにして下さい。
かなり少ないケースではありますが、縛り契約がない通信会社もあるので、その場合は違約金を払うことなく解約して頂けます。(もちろん更新月であれば違約金はかかりません!)
プロバイダーの解約
あと通信回線の解約時に忘れがちなのが、プロバイダーの解約です。通信回線ではプロバイダー込みになっているものと、プロバイダーが別途契約となるものがあります。
よくわからない時には、通信回線を解約する際にプロバイダーの解約は別途で必要かどうかを確認しておきましょう。別途で解約する際は、プロバイダー料金の解約金もかかる場合があります。
基本的にプロバイダーのみの契約期間は最初のあ1年間や2年間だけのものが多くなります。解約金がかかった場合は3千円~5千円ぐらいが一般的です。
プロバイダーの解約を忘れると、使っていないのに、料金だけは発生することになるので解約手続きを忘れないようにしましょう。
違約金が免除される場合もある
冒頭でも軽くふれましたが、転居先でインターネット回線が家賃に含まれている場合や、特定の通信回線が指定されている場合があります。
その場合は、やむを得ず解約しなければなりませんが、違約金はどうなるのでしょうか。
現在利用中の通信会社によっては、本人の責任ではなく解約する場合には違約金が免除される場合もあります。どんな場合に違約金が免除となるのかを解説していきます。
NTTフレッツ光でエリアが変わる場合
NTTフレッツ光は、東日本エリアと西日本エリアに分かれており、それぞれNTT系列ではありますが別の会社になります。東日本エリアではNTT東日本の回線、西日本エリアではNTT西日本の回線しか使うことができません。
もし、西日本エリアから東日本エリアに引っ越しをした場合は、西日本エリアの回線が使えないのは本人の責任ではありません。従って、解約の際には違約金は発生しないことになります。
転居先がエリア外だった場合
通信回線によっては、転居先がエリア外であるためにその通信回線が使いたくとも使えない場合があります。
その場合は、本人の責任ではないので原則として違約金免除の対象となります。新しい住所を通信会社に伝えれば、その回線がエリア外であるかどうか調べることができます。エリア外であることが証明されれば、違約金は免除となります。
海外へ転居する場合も、エリア外となるため基本的には違約金は免除扱いになります。
※通信会社や契約内容によってはいくらかかかる場合もあるので確認するようにして下さい。
転居先でインターネットが導入済み
最近の物件にはネットの費用が家賃に含まれているものもあります。そんな場合は、通信会社によっては違約金免除となる可能性が高くなります。au光の場合が最も条件が厳しく、おそらくこの場合違約金はかかります。
電話で問い合わせをして、転居先では特定の回線が指定されてあり、家賃に込みになっていることを伝えるようにしましょう。
NTTの場合は違約金免除になる確率が高くなりますが、プロバイダーが提供している一体型のインターネット回線の場合は事情がまた異なるので確認してみましょう。
家賃に込みではないけれど、転居先(実家の場合も)にすでに通信回線が引かれている場合でも、基本的には本人の責任ではないと見なされ、違約金が免除される場合があります。
違約金免除を申請する
違約金免除を適用したい時に気をつけたいのは、こちらから違約金免除申請を行わないと、普通に違約金がかかってしまうことです。
違約金が免除になる場合があることを、通信会社の方からはわざわざ知らせてはくれません。また、電話応対したものが、臨時の派遣社員やパートの人である時には、その本人が知らない場合もあります。
まずは電話にて解約の問い合わせをします。そして、改めて「〇〇の場合は違約金免除を申請できると聞いたのですが・・・」と必ず伝えて下さい。そして、事情を説明した上で、実際にどうなのかを確認するようにして下さい。
インターネット引っ越し時の対処法
引っ越し時のインターネットはどうなるのか、大まかにご理解いただけたところで、最後にインターネット引っ越し時の対処法をまとめておきたいと思います。
まずは電話で詳細を確認
できれば部屋探しを始める前や、引っ越しの時期を決める前に早めに確認しておきたいインターネットの詳細があります。
移転費用
移転費用にいくらかかるのかを確認します。移転費用とは、
- 初期工事費用(戸建て/マンション)
- 手数料
とトータルでかかる費用のことです。
その際に合わせて聞いておくのが、転居する時の撤去費用です。物件によっては、全く元の状態に戻してくれと指示される場合があります。その場合の撤去費用はいくらかかるのか聞いておきましょう
※通常は撤去費用は無料の場合が多いです。
更新月/解約金
そして、状況によっては解約する場合のことも考えて、更新月と解約金を聞いておきましょう。
- いつなら解約金ゼロ円で無料で解約できるのか
- もし、解約した場合の解約金はいくらか
- プロバイダーは別途で解約が必要か→プロバイダーにも解約金の確認
- 解約方法はどのようにするのか(電話でできるか)
などを確認しておけば、万が一の場合はいくらくらいの費用がかかるのか、いつなら無料なのかがわかります。
違約金がかからない方法は
違約金をかけない方法は2つあります。
- 更新月に合わせてインターネットを解約する→つまり引っ越しの時期をインターネットの更新月に合わせる方法です。
- 同じインターネットが使える物件を探す→同じインターネットが使える物件を探すようにすれば、違約金がかかるのは防ぐことができます。ただ、移転費用は通信会社によってはかかってしまいます。
解約した方がお得なのかを検討する
結局のところ、解約した方がお得なのか、転居先でも使い続けた方がお得なのかは、
- 移転費
- 違約金
- 転居先で使えるインターネット
これらの内容から、どの方法がいいのかを検討していくことができます。
移転費が6,000円くらいで、転居先の屋内配線工事が必要ない、差し込むだけで同じ回線が使える、となれば手続きの手間などを考えると、継続して使った方がいいかもしれません。
反面、いずれにしても転居先で屋内配線工事が必要、移転費が高いとなれば、違約金を払ってでも新規で契約をした方がお得だと言えます。
さらに、違約金と移転費、両方とも高くなる場合は、全額カバーしてくれるインターネットを探すことができます。
あるいは、違約金や移転費がかからなくても、キャッシュバックや特典の豪華なネットへ切り替えてもいいでしょう。
ただ、キャッシュバックが高い通信プランは、違約金もそれだけ高くなる傾向になります。常に高い違約金に縛られているよりは、違約金だけは払って縛りなし・工事費なしのプランを探すのも1つの方法です。
移転手続き
移転手続きは電話やネットでできます。
移転手続きをする場合は、新しい住所が決まった時点で早めに通信会社へ連絡するようにしましょう。状況によっては2週間以上かかる場合もあります。
インターネットが使えない期間が生じてしまう可能性もあるので、工事の日程や切り替えの手順を電話でしっかり相談するようにして下さい。
解約と契約の流れ
新規でインターネットを契約して、現在の回線を解約する場合は、先に新規で使うインターネットの工事日を確認するようにしましょう。
理想的な切り替え方法は、転居先でインターネットの設備が整ってから、現在の回線を解約することです。そうすれば、確実に使えない期間が生じないので安心です。
- インターネット新規で契約
- 工事日の確認(あるいは開通の確認)
- 既存の回線の解約
- 撤去工事の確認(モデムの返却)
大まかに以上のような流れで進めていくといいでしょう。
※工事をする際に、建物の状況などによってはごく稀に、工事不可能となる場合もあります。その場合は他の方法を考えなければなりません。Wi-Fi型のインターネットを選ぶなど・・・
※万が一の場合には、Wi-Fiネット回線の短期レンタルもありますし、スマホで短期間だけ代用することもできます。またスマホのテザリング機能を利用してPCを利用する方法もあります。
インターネットと同時にスマホの切り替えも検討したい人はこちら。
まとめ
今回は、引っ越し時にインターネットの移転費はかかるのかどうか、そして引っ越し時のインターネットの対処法について解説いたしました。
引っ越しの際には・・・
- インターネットの移転手続きをする方法
- 既存の回線を解約して新規で契約する方法
と2つの方法があります。さらに・・・インターネットの移転費はかかる場合が多く、移転費が高くなる場合もあります。むしろ解約して、新しくインターネット契約しなおした方が、お得な場合が多いことがわかりました。
移転した時にいくらかかるのか、解約した時にいくらかかるのか、
そして最終的には転居先で使えるインターネットは何なのかによって、どの方法が一番お得なのか、新規で契約するならどこがいいのか、が見えてきます。
引っ越し時には、物件の初期費用だけでなく、運送の費用やエアコンの設置、大型粗大ゴミの処分など思った以上に費用がかかってしまいます。
できるだけ費用を抑えて、引っ越し時にインターネットを対処していくことができるよう、ぜひ今回の記事を参考にして頂ければと思います。