子供にはどんな保険が必要?検討するべき保険・必要性について徹底解説

子供のリスクとカバーする保険

「子供に本当に必要な保険って何?」

親が子供のために加入することの出来る保険には様々なものが考えられます。代表的なものであれば、学資保険(教育資金の積立)・子供向けの医療保険・こども保険等が挙げられます。

亡くなった後の生活を考えた時に生命保険に加入しておくというのも、子供のための保険だと言えるでしょう。ただ、基本的に保険に加入するという事は長期間に渡って決して安くない保険料を支払っていくという事です。そのため、加入するなら意味のある保険に加入しておきたいものです。

また「子供が成長していく過程でどのようなリスクがあるのか?」「経済的な負担はどのくらいなのか?」という点について、あまりしっかりと認識できていない方もいると思います。

なので、今回は「子供とお金」という点について焦点を絞って、そこから考えられる加入すべき「子供のための保険」という点について解説していきたいと思います。

子供が成長していく過程でどのようなリスクがあり、どんなお金が必要になるのか?をしっかりと把握していきます。

大学卒業までにどのくらいのお金が必要になるのか?

子供が大学を卒業して、親元から巣立つまでには2,000万円必要だと言われたり3,000万円必要だと言われたり、はたまたもっと安くで済むと言われる事もあります。

まず、始めに押さえておきたいのは「必要になるお金は家庭によって異なっていく」という点です。子供が具体的にどのような生活をするのか?どのような進路に進むのか?によって、成長するに伴って必要なお金は異なります。

また、同じような生活・同じような進路に進んだとしても住んでいる地域や世帯年収等によって受けられる公的保障等が異なってくるので、一概には言えません。

ただ、これではどのくらいお金が必要で、どのくらい備えておいた方が良いのか?という部分をはっきりとさせる事が出来ずに、不安が残ってしまうでしょう。

なので、今回は平均的な日本の子供に掛かるお金をご紹介したいと思います。一般的に、子供に掛かる費用は

  • 養育費
  • 教育費

上記の2つに分けられると言えます。養育費・教育費という大きな出費の平均的な額面や要因について押さえていきましょう。

子供が成長していくためのお金が「養育費」

子供に掛かる大きな出費の1つ目が養育費です。養育費とは主に

  • 出産や育児に関連する費用
  • 食費や衣料に関連する費用
  • 保険や医療
  • お小遣い
  • 子供の個人的な所有物

を含めた費用の事であり、子供が成長するまでの22年間の子供の養育費・教育費をまとめた「現代子育て経済考」によると、子供の養育費は「1,640万円」掛かる可能性があるそうです。

大きな金額に戸惑ってしまうかもしれませんが、これはあくまでも22年間に掛かってくる試算であり、すぐに現金で用意する必要のないお金です。ただ、それでも単純計算で1年間に平均70万円近くのお金は必要になります。決して小さな金額とは言えない事は確かでしょう。

進路によって大きく変動する教育費

先程、養育費については「1,640万円」が必要になるとご紹介させて頂きました。また、養育費は現金で用意する必要はなく、一般的にそれほど大きな負担になる事はありません。(平均的な収入がある家庭なら)

ただ、厄介なのが教育費です。教育費は子供がどんな進路に進むのか?によってかなり大きく変化する費用であり、高校・大学になってくると小・中共に公立に通っていた生徒でも、私立の学校に入学する可能性が大きくなります。

また、大学に関しては国立大学でも4年間で「242万円」が必要になり、入学時・進級時に大きな金額を現金が必要になります。

私立か?公立か?によって、掛かってくる学費は大きく異なりますし、中学・高校・大学のどれが私立・公立か?によっても異なるので、支出が不安定になりやすいと言えるでしょう。

教育資金は備えたい

養育費は長期間で見た時に、数千万円という金額が掛かってくる可能性がありますが、一般的にそれほど大きな現金を用意する機会はそれほど多くありません。

一方の教育資金は、私立か?公立か?大学に進学するのか?等によって大きく異なりますが、500万円~2,000万円程度が必要になります。養育費と比較した時に、長期的にはそれほど大きな金額は必要になりません。

ただ、大学であれば入学時に「50万円~100万円」程度が必要になる事もありますし、私立の大学を沢山併願すると受験費用だけでも数十万円必要になることもあります。

つまり、養育費と教育費を比較した場合長期的には「養育費」の方が必要になりますが、一時的には「教育費」の方が現金が多く必要になります。もちろん、世帯の年収等によって事情は異なると思いますが、特に注意したい・備えたいのは「教育費」であると言えるでしょう。

どうやって備えていくのか?

先程、教育費は特に備えたい費用である事をご紹介しました。しかし、具体的にどのように備えていく事が可能なのでしょうか?様々な選択肢が存在していますが、主に「貯蓄・資産運用」「保険」という二種類をご紹介したいと思います。

貯蓄・資産運用

まず、始めにお金を貯める・増やすという点を考えた時に、思い浮かびやすいのは「貯蓄」や「資産運用」ではないでしょうか?貯蓄や資産運用は、お金の備え方として保険と比較した時に「自らが行っていく」という意思が必要になってくるでしょう。

そもそも、返戻金がプラスして返ってくるような保険というのは、保険会社が集めた保険料を「運用」する事によって利益を出し、その一部を分けてもらっているという事になります。

もちろん、民間の保険会社は営利企業なので、運用から得た利益のすべてを返戻金に当てている訳ではありませんし、保険料を運用し・保険金に当てる金額の差額から利益を出しています。(一部異なる場合もあります)

そのため、運用や貯蓄を行っていくのは自らその作業を行う事になり、資産運用や貯蓄というのを自ら行っていける方なら保険でお金を備えていくよりも、効率的に貯蓄していく事が可能になります。

資産運用とはそもそも何?これからの資産運用の基本について解説します。

保険で備える

ベストは資産運用や貯蓄で備えていく事ではありますが、

  • お金の管理が苦手で貯蓄しているか分からない
  • 無駄遣いをしてしまいそう
  • 資産運用なんて難しそうで手を出せない
  • 資産運用で損を出すのが怖い

と言ったような方も少なくないはずです。そのような方は「保険」で備えていくのが良いでしょう。

保険であれば、保険料という形で半強制的に積み立てていく事が可能です。それに加えて、解約した場合に損をする可能性が高いので無駄遣いのために貯蓄を取り崩すという事に対するハードルも上がります。

また、保険と資産運用の併用も可能なのでどちらかに絞る必要性はありませんが、目安としては「ここだけではどうしても守りたい」という部分を、保険で積み立てていくというのも良いと思います。

子供のための保険は本当に必要?

先程、子供が大人になるまでに必要なお金についてご紹介させて頂きました。そこで、ご紹介したお金を予め備える方法は「貯蓄・資産運用」「保険」という二種類です。

どちらで備えていけばいいのか?どのようなお金を保険で備えていけばいいのか?等、疑問が出てきたと思います。なので、これから子供のための保険として取り上げられる事の多い「学資保険」「医療保険」という2点を詳しくご紹介していきたいと思います。

各保険の概要・特徴・必要性等についてご紹介していくので、子供のために用いられる事の多い保険を理解しながら加入したほうがいいか?否か?について検討して頂けると、必要な保険が見えてくると思います。

学資保険

まず、始めにご紹介したい子供のための保険は「学資保険」です。学資保険とは、簡単にまとめてしまうと文字通り「高校・大学等の教育資金を予め積み立てる」ための保険です。

子供のための保険として知名度が高く検討する方も多い保険なので、しっかりと押さえておきましょう。

学資保険の概要

学費が高額になりやすい主に「大学」に向けて資金を保険料によって積み立てて、大学進学時や進級タイミング毎に保険金を受け取るのが学資保険です。この返ってくる保険金を「返戻金」と呼び、返戻金の額面は返戻率によって変動します。

そのため、返戻率が出来るだけ高い学資保険に加入する事が、お得に返戻金を受け取るコツです。様々な要素によって返戻率は変動しますが、最も返戻率を左右するのは学資保険の種類です。

学資保険には主に「貯蓄型」「保障型」という2種類の保険が存在しています。

貯蓄型

貯蓄型の学資保険は、文字通り「貯蓄するため」だけの学資保険という捉え方が分かりやすいです。貯蓄型の学資保険には、進学時に受け取れる保険金以外には目立った保障というものはありません。

ただ、そのような保障が存在しないため、貯蓄に保険料が集中するので高い返戻率に調節しやすいです。

保障型

保障型の学資保険は、貯蓄型の学資保険とは対照的で「保障も貯蓄も」という学資保険です。一見、保障型の方がお得感がありますが、返戻率は貯蓄型と比較した際に著しく下がり「50%」というものも多いです。(保険料の半分しか返ってこない)

ただ、医療保障・賠償保障等の子供に必要な保障を提供している保険が多いので、医療保険やその他の保険に加入しなくても済むというメリットがあります。

学資保険の特徴

学資保険の概要だけを見ると、あまり加入するメリットを感じないかもしれません。何故なら、貯蓄を行う選択肢はそのほかにも沢山存在しているからです。

ただ、ほとんどの学資保険(貯蓄型も保障型も)が備えている保障として「契約者が死亡した場合に保険料の支払いが免除される」という特徴があります。

つまり、契約者(多くの場合は両親のどちらか)が死亡した場合は、保険料を支払う事なく将来的な教育資金を確保する事が可能になります。

そのため、同じようにお金を残せる生命保険等と比較した時に、進学時に保険金を受け取るので死亡したとしても「教育資金だけは確保しやすい」という特徴があるのです。

もちろん、実際に保険金がどのような用途に使われるのか?という点に関して確実性はありませんが、教育資金に充てられやすいと言えるでしょう。

学資保険の必要性

保険の必要性というのは人それぞれではありますが、一般的に学資保険の必要性は「自ら教育資金を積み立てていけるか?」という一点に尽きると思います。

学資保険の返戻率は高くても「107%~110%」程度しかありません。そのため、実際は積み立てていく資金をもっと効率の良い他の方法(身近なものなら定期預金等)を利用した方が結果的に、手元に残るお金は多いと思います。

ただ、実際に月2万円の貯蓄を10年間(単純に積み立てても240万円)近く続けていく事が出来るでしょうか?難しいという方も存在しているでしょう。そのような方には、学資保険の加入がおすすめです。

また、もう1つ必要性の高い方はやはり特徴から考えた時に「必ず教育資金だけは残しておきたい」という方です。死亡した場合でも、教育資金は確保されるのでそのような方にとっては安心感にも繋がると思います。

医療保険

次にご紹介したい子供のための保険は「医療保険」で、医療保険について簡単にまとめると「医療費を軽減するための保険」です。

医療保険は多種多様な商品が販売されており、中には「子供のためだけの医療保険」というのも存在しています。子供のための保険として注目される事の多い保険なので、しっかりと理解していきましょう。

医療保険の概要

日本は世界的に見ても「医療費」の負担がかなり軽減されていると思います。基本的に、医療機関を利用した際には健康保険の保険証を提示する事で、かなり安い費用でハイクオリティな医療サービスを受ける事が可能です。

そのため、医療保険に加入しないという方も一定数はいますが、やはり入院や手術が必要な疾病に掛かった際には大きな負担が必要になる事も少なくありません。そのため、その負担を軽減するために生まれてきたのが医療保険です。

子供のための医療保険には主に2種類存在しています。1つ目は「普通の医療保険」です。大人も加入する事の出来る医療保険で、そこに子供が加入すると言ったような形です。

ただ、これでは子供のための保険とは言えないので、子供を焦点に絞った医療保険についてご紹介していきます。子供のための医療保険に提供されている保障は以下のようなものが挙げられます。

  • 学資
    (学資保険とセットになったような保険)
  • 育英資金
    (親が死亡した場合に、一定の年齢まで毎年保険金を給付)
  • 個人賠償責任補償
    (車を傷つけた等、子供が賠償責任を負った際に保障してくれるもの)
  • 死亡保障
    (子供が死亡・高度障害を負った場合に保険金が入る)

子供専用に作られた医療保険は、基本的な「医療保障と子供が必要になりやすい保障」というものが多いです。

医療保険の特徴

子供のための医療保険の特徴として挙げられるのは「他の保険に加入しなくてよくなる」という事だと思います。

例えば、個人賠償責任補償がセットになっている医療保険に加入した場合に、個人賠償責任関連の保険・傷害保険等に加入する必要が無くなりますし、学資とセットになっているものなら学資保険の必要性が無くなります。

他の保険をまとめて1つ出来るというのは、沢山の保険が存在しておりどの保険に加入していいのか分かりにくい現代には大きなメリットになると思います。

医療保険の必要性

医療保険の概要や特徴についてご紹介していきましたが、不要論が多い保険でもあります。というのも、医療保険というのはそもそも「入院費・手術費」が必要になる「大きな病気」のために加入する保険です。

子供は軽い風邪・骨折等の診察・短期間の通院が必要な疾病・怪我になる事は多いですが、上記したような「入院・手術」が必要になるような大きな病気になる事は多くありません。

厚生労働省のデータを参考にすると入院している割合はわずか0.18%であり、かなりリスクが低いと言えるでしょう。そのため、医療保険単体だとそれほど意味がないと言えます。

また、子供の場合は自治体によって異なりますが(地域によって)、ほとんどの場合「医療助成金」が出るケースが殆どです。この制度を利用すれば、無料に近い価格で医療を受ける事が可能になるでしょう。

では、加入する意味はどこにあるのでしょうか?やはり「セットで付いてくる保障」にあると言えるでしょう。子供に焦点を絞った医療保険に付いてきやすい学資・賠償・死亡保険金等に大きなメリットを感じるなら、加入するのもありだと思います。

ただ、基本的に保険は「リスクが高いものに対して加入」するという姿勢を忘れていけません。すべてのリスクに対応しようとしていたら、世の中すべての保険に加入しなくてはいけません。

必要な保険・必要ではない保険をしっかりと取捨選択していく必要があります。

保険の賢い選び方

最後に保険の賢い選び方についてご紹介していきたいと思います。もちろん、保険によって正しい選び方は異なってくるので「貯蓄に焦点に当てている保険」「保障に焦点を当てている保険」という2点に分けてご紹介していきたいと思います。

貯蓄型の保険で意識したい点

貯蓄型の保険(学資保険や満期で保険金を受け取れる保険)で意識したいのは、以下のような点です。

  • 保険料に無理はないか?
  • 返戻率を上げる方法はないか?
  • 保険金は十分なものか?
  • 無駄な保障が入っていないか?

特に注意したいのは「保険料の無理」です。理想とする保険金を上げすぎて、保険料が跳ね上がってしまい月々の負担が大きくなってしまっているパターンです。

将来的に受け取れる保険金や必要な保障は重要ではありますが、普段から支払っていく保険料を大きくしすぎていないか?普段の負担を大きくしていないか?をしっかりと意識しましょう。

結局払えない保険料で、保険を解約してしまうと短期間の場合ほとんどのケースで損をします。(中途解約でも、長期間加入している場合は損をしない事も)

保障型の保険で意識したい事

保障型の保険(医療保険、傷害保険等)で意識しておきたいのは、以下の点です。

  • 無駄な保障を含んでいないか?
  • 保険料は適正か?
  • そもそも、本当に必要な保険か?
  • 他の保険で、保障内容が重複していないか?

上記した中で、最も意識したいのは「無駄な保障を入れすぎていないか?」という点です。保険に関する情報を見ていると様々なリスクやそれをカバーしてくれる理想的な保障を見つける事が出来ます。

ただ、よくあるのは「リスクを過大評価しすぎている」というケースです。基本的に、保険はギャンブルだと言われるように入らなくていいなら、入らない方が良いくらいに認識しておいた方がいいです。

人生には様々なリスクが存在していますが、それを保険ですべてカバーするのは不可能です。仮に、行ったとしたら毎月の保険料だけで破産してしまうでしょう。

保障型の保険に加入する際は特に「必要な保障に対して保険料を支払う」という意識が必要です。

まとめ

子供に将来掛かるお金と備え方

  • 養育費と教育費がある
  • 教育費には特別な備えが必要
  • 保険と貯蓄・資産運用という備え方がある

子供のための保険は本当に必要か?

  • 学資保険は貯蓄が苦手な人と必ず教育資金を残したい人向け
  • 医療保険は、医療保障自体にそれほど意味はなく、セットでついてくる保障のために入る

保険の賢い選び方

  • 貯蓄型で意識したいのは「高すぎる保険料」
  • 保障型で意識したいのは「必要な保障を見極めるという事」

この記事では子供に将来掛かってくるお金、必要な保険とその解説、賢い保険の選び方等について解説しました。

子供のための保険というのは世の中に、沢山出回っていますし「子供のために」と子供のための保険に加入したいと感じる方も少なくありません。ただ、しっかりと意識したいのはその保険の「必要性」です。

中には、それほど大きくないリスクを保障しているような保険も存在しているので、実際のデータを参考にしながら必要な保険とそうじゃない保険を認識出来るようになれるとベストだと思います。

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