FXで多くの人が気づかない・認めない意外なメンタル阻害要因。FXで勝利至上主義は退場のもと!

FXでうまく勝つことができた時は本当にうれしくなるものです。

 

「自分のテクニカル分析通りに相場が動いた」、「経済指標の発表で何十銭も値幅を取ることができた!」という具合に満足のゆく勝ち方ができますと、次もまた勝っていっぱい儲けてやろうとハイなテンションになるものです

 

それでもまたうまく勝利をつかむことができればいいのですが、中にはその気分に乗じてポジション量を増やしたり無理なエントリーを行うなどして、逆に大敗を味わってしまうという方もおられます。

 

実は、こういった気分が高揚した時もメンタル管理を考えますと非常に危険な状態であり、FXで継続した利益をあげていく上で改善しなければならない要因となってきます。

 

そこで本ページにおいて、FXのメンタル対策の中でも勝っている時やテンションが好調な時、または平常心でいる時といった、FXへの悪影響がまず心配されないであろうケースにおけるメンタル管理の重要性についてお話ししていきます。

 

 

*FXのメンタル管理については以下もおすすめです:

稼ぐ投資家はやっている!FXにおける多面的なメンタルコントロールの方法

 

 

 

勝利が続いても油断できないFXの実態

 

勝ちに乗じた無理なトレードの繰り返し

相場状況の変化

FXのトレードで1度大勝の味を覚えますともう一度早く勝ちたい気持ちから、間髪開けずにエントリーをしてしまいがちとなります。

 

その再エントリーの速さ自体が悪いわけではないのですが、相場状況は刻一刻と変化してきますので、同じやり方はすぐに通用しなくなってしまいます。

 

しっかりチャートをチェックしていませんと、中・長期足から成るサポート・レジスタンスにレートが到達し、ラインブレイクするならまだ救われてきますが、そこからレートが反転することも往々にしてあるわけです。

 

喜び勇んでトレードを行うことは、こういった相場状況の変化に鈍感となってしまいやすいことから、一見望ましいと思われるポジティブな心理が逆にあだとなってしまうものなのです。

 

 

シストレの存在から考える

シストレ(システムトレード)は繰り返しのトレードを行うことがその本来の性質なわけですが、それでも1日に数回程度のトレードであったり、サインの発信が少な目なストラテジー(取引手法)では数日に1回のエントリーという場合もあります。

 

シストレの場合、エントリータイミングの設定は個々のトレーダーの考え方にもよりますが、複数のテクニカル要素を組み合わせた複雑なエントリー根拠を持つものも珍しくありません。

 

Expert
つまりシストレは、エントリー回数が意外とそう多くないことと合わせ、そこまで厳密で同質な相場状況がそう頻繁には起こらないということを暗に証明してくれているものなのです。

 

 

ところが、これとは逆に裁量でトレードを行う場合は、そういったシストレのエントリータイミングの厳密さが損なわれた面がありますので、短期間における繰り返しのトレードは、やはりうまくいくものではないのです。

 

トレーダーにおいて、裁量かシステムトレードかを分ける理由は個人の趣味・志向の問題もあるかもしれませんが、同じ相場状況の中で片方が苦労して良い成績を上げている中で、もう一方が安易な裁量的発想だけで勝ち続けることはやはり考えにくいものです。

 

 

連戦連勝のメカニズム

裁量によってトレードを行っている人は、チャートやテクニカルツールの表示を眺めながらその都度の判断でトレードを行っていると思います。

 

この場合、毎回のトレード方法に一貫性が存在しません。

 

この一貫性の無さを直ちに否定するわけではありませんが、次のように考えますと、非常に恐ろしく感じることができます。

 

あるトレーダーにおける毎回の新規エントリーは、たとえそれが裁量によるものであっても世界の中の別の誰かが設定したテクニカルツールのサインに合致している可能性が極わずかにあります。

 

また、一般的にはどのような手法であっても100%の勝率をもつものはなく、75%や55%などといった勝率を内在させております。

 

そして例えば、裁量によるエントリーで勝ちを5回連続で達成できたとしたら、勝率数十パーセントの5種類のストラテジーを1回ずつ実行し、5種類ともその1回目で勝つことができたというふうに捉えることができます。

 

つまり裁量トレードによる連勝は、毎回異なるシストレのストラテジーをたった1回ずつ実行し、個々のトレード勝率が本来であれば数分の1程度であった中で、その数分の1の当たりを「たまたま引き続けてしまった」ものであるのです。

 

 

実際に例をあげてみますと、次のような5種類のストラテジーがあったとします。

 

  • ストラテジーA・・・勝率80%
  • ストラテジーB・・・勝率50%
  • ストラテジーC・・・勝率65%
  • ストラテジーD・・・勝率73%
  • ストラテジーE・・・勝率47%

 

 

そしてそれぞれのストラテジーで1回ずつエントリーを行いA~Eでもって5連勝できる確率を計算しますと1/1098.9%となります。

 

Expert
連戦連勝とは、その一連の取引を一括りにしてみますと、このように非常に低い確率のくじ引きで大当たりを引くことが出来たようなものなのです。

 

 

こう考えますと大切な口座資金を再び同じ低確率の抽選に賭けようとは思わなくなってくるのではないのでしょうか(もちろんそのギャンブル性を味わいたい方がおられるのも事実です)。

 

 

楽しさをコントロールする

勝利の喜びが無謀な再エントリーを引き起こす

勝った時の快感をまた早く味わいたいとの思いから、短期間に数多くのトレードをしてしまうことがありますが、これはまさに「望ましくないメンタルの状態」がエントリーの根拠として機能しているものです。

 

エントリーする際の理由・根拠は客観的であり合理的でなければならないことや、相場状況を前提としたものでなければなりません。

 

勝つことの楽しさはこのことを忘れさせてしまう可能性があり、特にFXや投資を行う上で注意していなければなりません。

 

 

FXの楽しさの拠り所を変える

FXで味わう勝つことの楽しさに注意しながらも、それを完全に消し去ることはできないことと思います。

 

ではどのようにこの問題をクリアすればいいのかと言いますと、楽しさの根拠・拠り所を変えることが挙げられます。

 

例えばシストレやルールを順守した取引方法は、1回1回の勝ち負けではなくトータルで利益を上げることを狙いとしています。

 

最終的に利益を出すことができれば目標達成となるわけですが、それまでの過程において以下のような事柄に喜びを見出すようにしていきます。

 

  • 毎回のトレードをルール通りに行う
  • 1カ月間ルールを守りきる
  • トータルで利益を上げる

 

 

また、実際行われるエントリーや利確・損切りといった行為は上記を達成するための「単純作業でしかない」という発想を強く心に放っていくようにすれば、より効果的となってきます。

 

この段階までメンタルと行動が矯正されてくるようになれば、連勝や大勝ちといったものに魅力を感じること少なくなってきます。

 

その他に、現状のトレードスタイルだけではなく、攻略手法の模索を常に実行し、新しい攻略手法を発見することができた時に喜びを味わうのも、非常に大きな達成感や満足感が得られおすすめです。

 

Expert
他にも最終的なエントリー行為以外の作業でやりがいを感じられるようになればしめたものです!

 

 

 

 

日常生活における様々な誘惑

 

FXを行ってない時は心の戦い

FXに段々のめりこんでいきますと、普段からノーポジションであっても相場のことが気になってそわそわしてしまうことがあります。仕事中であったり家事を行っていたり、その状況に限定されるものはありません。

 

これは、パチンコや競馬などにはまっている人と全く同じものであり、FXをギャンブルと同じように捉えている証であります。

 

Expert
ここでメンタルをうまくコントロールできるかどうかが、その後に大きく影響してくることは言うまでもありません。

 

また、手軽にFXができる「スマホアプリ」もFXへの欲求を抑えられなくしてしまう存在です。

 

チャートの見やすさ、エントリーのしやすさ、カッコいいデザインなどトレーダーに気軽にたくさんトレードをしてもらおうと、各FX会社がそれぞれ趣向を凝らしたアプリを提供しています。

 

 

キャッシュバックキャンペーンのわな

FX会社の中には、取引量に応じて現金をキャッシュバックするキャンペーンを行っているところがあります。

 

実際に取引しながら一定の条件をクリアすればキャッシュバックがもらえるというもので、基本的には取引をすればするほど多くのキャッシュバック金がFX口座に入ってくるというものです。

 

FX会社のウェブサイトで比較的派手に宣伝され、キャッシュバック条件に達した時にもらえる金額が魅力的に映り、FXをやっていない時でも心を揺さぶられてしまう方がいるでしょう。

 

その金額ばかりに目が行ってしまいがちになりますが、取引量やキャッシュバック金額などを元に次のような試算をしてみますと、本当の実態が見えてくるようになります。

 

 

「キャッシュバックキャンペーンにおける取引結果の試算」(例)

  • 取引対象通貨ペア・・・米ドル/円
  • スプレッド・・・0.3pips
  • スプレッドで発生する費用・・・30円(1万通貨ペアの場合)

 

 

100万通貨の取引 300万通貨の取引 500万通貨の取引
スプレッドの費用 30円 同左 同左
取引回数 100回 300回 500回
スプレッド費用合計 3,000円 9,000円 15,000円
キャッシュバック額 1,000円 3,000円 5,000円
差引 -2,000円 -6,000円 -11,000円

 

 

 

結論を申し上げますと、「やればやるほど損をしていく」ということになります。

 

 

そもそも勝つこと自体が容易にはならないFXで、トレード毎にスプレッド費用が発生するだけでも相当不利なものです。

 

実際に取引をしてみれば分かりますが、エントリー直後のマイナス損益表示がなかなかプラスになってくれない場合があることは、多くのトレーダーが経験しているところであります。

 

またスプレッドにかかる費用に関しては、類似の例として株取引や投資信託などの手数料負担が挙げられます。

 

他の金融商品におきましてもトータルで利益をあげるため、相場分析だけでなく証券会社選びや各種手数料の金額も、そのトレード運用計画において入念にチェックされてきます。

 

従って、手数料のことを考慮せずキャッシュバックキャンペーンに参加してもトータルで儲かることにはならないのです。

 

そのようなキャッシュバック情報に惑わされない普段からの自己管理や判断能力が大切です。

 

 

日常生活における意外なものに気を付ける

メンタル管理はトレード中だけ気を付けていればいいものではありません。

 

以下に、メンタルを考慮する上で注意が必要な事柄をあげておきます。

 

「身の回りにあるメンタル阻害要因」

  • 心のそわそわした感覚
  • 友人とのFXの会話
  • PC/スマホ
  • FX関係の書籍
  • FX会社のキャンペーン情報 など

 

 

FXをする上でなくてはならない物までありますが、スマホや書籍、FXに関する楽しいおしゃべり等これらはメンタル的には「もろ刃の剣」であると認識しておくことが大切です。

 

 

 

 

FXにおける相場観やメンタル管理がうまくいった例

 

衆議院議員である今井雅人氏は、2014年にFXで5,000万円以上の利益をあげたことなどで知られています。

 

出典:マット今井の「風を読む」

 

 

同氏は元銀行の為替ディーラーという経歴を持ち、FXや相場についてのスペシャリストです。

 

5,000万円も儲けることができた要因としては、アベノミクスにおける上昇一辺倒の相場にうまくのることができたことが大きいと思われます。

 

ただ、取引の実態としては初期に建てたポジションをそのまま放置していたのではなく、まめな利益確定と再エントリーを繰り返し行っていたというものでした。

 

2~3日のスイングトレードを行うことで、めったにない大相場でありながらもリスクを減らし万一に備えていた行動は、利益先行ではなくあらゆるケースを普段から考慮に入れた用心深い面が覗われます。

 

また最近は議員活動が忙しくFXにあまり時間が取れないようなのですが、大相場ではきっちり取引を行いながらも、FXを仕事へ持ち込ませないメンタルの在り方が、利益を守り正常な生活を継続させる秘訣でもあります。

 

ここで同氏の取引スタイルのポイントをまとめてみますと、

  • 適切な相場分析
  • 利益確定(損切り)による資産の保全
  • トレードと仕事との明確な分別

 

 

勝利に飲み込まれないことや機を見てトレードに臨むといったものは、メンタル管理があってこそ成しえるものであります。

 

FX取引の魅力の中でなかなかうまく真似できないかもしれませんが、メンタル管理はやはり利益をあげる上で大切なスキルとなっています。

 

 

 

何事も確率に支配されている

勝利至上主義は一見すると志の高い前向きで立派な発想に思えますが、誰しも失敗や敗北がつきものなのがFXです。

 

機関投資家やヘッジファンド等は、その利益を上げていく際、トレード計画の作成や資金管理の設定を行います。そしてその中で、「負け」を必ず考慮し、取引における現実をしっかり取り入れているのが通常です。

 

一般の個人トレーダーの場合は、往々にして「勝つこと」や「利益額」のことばかり意識が向いてしまいがちになり、その結果ポジションに含み損が出たときや相場急変時に適切な行動をとることができないといった事がよく起こります。

 

 

資金管理におきましては、「勝敗比率」の算定・設定がつきもので、この中でこれからトレードを行う期間内の勝利数・敗北数を予め決めています。

 

これはつまり、プロの投資家は100%勝てる取引手法の発見がその業務内容には無いということを意味し、「相場に絶対は無い」という認識とともにプロの中ではごく常識的な光景なのです。

 

また、勝率の悪いトレード手法であっても、適切な勝敗比率や利確・損切り幅などの設定を行うことができれば継続的な利益を上げることは可能です。

 

上記の方で「連戦連勝」についてお話ししましたが、その達成は非常に難易度が高いものであり、確率論としては取り入れるべきものではありません。

 

 

 

まとめ

FXで勝つことに伴う楽しさは、利益を上げ続けることや損失を抑える上でやっかいな感情であるという今回の内容ですが、正常な精神状態では中々気が付きにくいものです。

 

しかもそれを認識できたとしても、すぐに行動が伴わない所にメンタルコントロールの難しさがあります。

 

今回の内容を以下に整理しておきます。

 

  • 連戦連勝や勝利ばかりの発想は望ましいものではない
  • FXを行う楽しさをトレード以外の行動で味わうことが利益を上げ続ける秘訣
  • どんな場合であっても必ず「負け」を考慮して取引を行う

 

 

FXにおけるメンタルについて考えた場合、損切りができるかどうかや、自分のトレードスキル・相場状況を考慮したトレードを守れるかといった視点で検討に入るのが一般的です。

 

今回の記事のような「まさか」と思えるようなポイントや、個人レベルではその本人特有のメンタル阻害要因があるかもしれませんので、メンタル管理は対策の余地が非常に広いテーマであります。

 

 

 

*FXにおけるメンタル管理一般についてはこちら:

稼ぐ投資家はやっている!FXにおける多面的なメンタルコントロールの方法

 

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