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戸建やマンションに住んでいる人の中には、家族の1人が独立したり、もともと広い住宅に住んでいたりなどで、使わない部屋がある人もいるでしょう。
ほんの小さなワンルームを借りるために苦労する人もいる中、全く使わない部屋があるのにもったいないなと考える人も多いのではないでしょうか。
かといって、賃貸として間貸しをするのも何だか本格的すぎてためらってしまいます。
そんな中、おすすめなのが自宅でできる民泊投資です。
民泊であれば、短期の宿泊客が対象となるので、辞めたい時にはいつでも辞めれる気軽さがあります。しかも、使わない部屋を有効活用し、ほとんど費用をかけずに副収入が得られるというメリットがあります。
今回は、空いた部屋の1室を利用して始める、ホームスティ型民泊について解説していきます。
ホームスティ型民泊とは
ホームステイ型民泊とは、家主が居住している住宅の1室(一部)を宿泊施設として有料で貸し出すタイプの民泊のことをいいます。
民泊新法(住宅宿泊業法)においては、「家主居住型民泊」と分類されています。民泊サイトなどででは「シェア型民泊」とも呼ばれています。
家主がいない住居に宿泊する場合は「家主不在型民泊」、「個室型民泊」になります。
このホームステイという宿泊スタイルは、これまでも国内外で留学生を一般家庭に迎えるホームステイ留学などで親しまれてきたもので、ご存知の方も多いでしょう。
ホームステイ型民泊の特徴
ホームステイ型民泊は、ビジネスとして宿泊業を行うというよりは、甥や姪・いとこ・遠い親戚などに間貸しをする感覚に近いものがあります。
ただ、実際には全く見知らぬ他人と普段の生活を一緒に共有していくわけですから、それなりにリスクもあります。ゲストとのコミュニケーションを楽しみたい人にとってはおすすめの民泊方法になります。
逆に、そういった関わり合いが煩わしいホストにとっては、精神的な苦痛を伴う民泊となってしまいます。
食事や買い物、ホームパーティや観光案内など、どこまでゲストと関わるのかはそれぞれホストの意向によって差があります。
どの程度関わるにしても、やはりプライベートはお互いに尊重していく事がマナーとして要求されます。
このホームステイ型民泊は、とくに外国人のゲストにとっては、生活を共にすることで日本語を学ぶ機会を得たり、日本の生活習慣や家庭料理、何気ないホストとのコミュニケーションが大きな魅力となっており、人気の高い民泊の1つでもあります。
国籍を問わずいかに旅行といえども、外国で暮らすことは不安も大きいものです。そんな時に、日本人がそばにいることで安心感を得る外国人も多いようです。
また、日本人のゲストでも、ホストとのコミュニケーションを楽しみたい人達にとってはあえてホームステイ型を選ぶ人もいます。
ホームステイ型民泊のメリット・デメリット
それでは、このホームステイ型民泊のメリット・デメリットをご紹介していきましょう。それぞれ、ホストによって向き不向きがある民泊方法となりますので、自分にとってはどうなのかを判断することができます。
メリット
コミュニケーション
ホームステイ型民泊の一番のメリットは、世界中に友達や知り合いをつくる機会になることです。
ホームステイ型民泊を選ぶゲストは、そもそもホストとコミュニケーションを取りたい人です。もちろん相性もあるでしょうが、比較的、フレンドリーで社交的なゲストが多いので楽しい時間を過ごすことが期待できます。
とくに、日本語を覚えたい外国人は、積極的にコミュニケーションを取りたがる傾向にあります。
費用をかけずに副収入
もう1つの大きなメリットは、費用をほとんどかけずに副収入を得ることができることです。
もともと住んでいる住居を使っての民泊ですから、不動産を購入せずとも民泊を始めることができるのは、非常に有利です。
トイレや浴室、台所なども結局共有するわけですから、極端にいえば何1つ購入する必要はないのです。
メンテナンスが簡単
民泊は賃貸業ではなく、宿泊業になりますので衛生管理が義務づけられています。
ホスト不在型の民泊で最も厄介となるのが、シーツやタオル・備品などのメンテナンスです。それらのメンテナンスを自分が随時行うか、代行会社に任せるか、人を雇うかしなければなりません。
いつでも辞めれる
不動産を購入して民泊を始めるのであれば、途中で止めて収益がなくなれば元がとれず大きな損失となります。
ホームステイ型民泊の場合は、わざわざ不動産を購入するわけではなく、自宅の空き部屋を使っているだけですから、途中でやめても大きな損失となることはありません。
デメリット
どんな人がくるかわからない
ホームステイ型の民泊においての最大のデメリットは、いざ、ゲストが自宅に来るまでは、どんな人がくるのかわからないことです。
基本的には民泊情報サイトを介してゲストとのマッチングを図るわけで、パスポートや身分証明書の提示が義務づけられているので安心ではあります。
しかし、実際に話してみると気が合わない、好きになれない、性格上の不一致や考え方の違いなどで不快な時間となる可能性も秘めています。
プライベートが100%保てない
これは、最初から承知の上でホームステイ型民泊を始めるわけですが、思った以上にストレスを感じてしまう場合もあります。
それぞれ、個室に戻ればプライベートを保つことができますが、トイレに行ったり浴室に行ったりする度にゲストとホストが顔を合わせる機会をつくってしまいます。
顔を合わせる度に必要以上に気を使ってしまい、気疲れする場合もあるかもしれません。
また、時には思いがけず1人になりたい時もあるでしょう。しかし、ゲストがいる限り完全なプライベートを保つことができなくなります。
言葉がうまく伝わらない
これは、ゲストが外国人の場合ですが、言葉がうまく伝わらなくて、もどかしい思いをすることも考えられます。
それぞれの国の慣習や、個人的な趣向によっても、生活様式で大きな違いを感じることもあるでしょう。時には、お互いに過ごしやすくするために、それとなく注意するよう言葉をかける必要も出てきます。
しかし、言語のハンディによって、うまく伝わらすに誤解をされたり、改善してもらえなかったり、悲しませてしまったりすることもあるかもしれません。
ホームステイ型民泊の始め方
ホームステイ型民泊はメリットとデメリットを以上のようになります。それぞれ、私には向いている、いや私には無理そうだ、とご判断の目安になるのではないでしょうか。
ホームステイ型民泊が向いている人にとっては、この民泊方法は楽しみと副酒入の両方を得る絶好の機会になり得るでしょう。
例えば、パート先の外国人アルバイトの友人や家族が日本を訪問することになったとします。たまたま、空いている部屋があるから、宿泊料をとって部屋を貸すことにしました。この場合は、自分の判断で勝手に部屋を貸しても違法ではありません。
民泊の認可(届け出)
実はホームステイ型の民泊は、民泊の認可には様々な種類がある中で、最も規制が緩い民泊方法になるのです。
ホームステイ型民泊の場合は自治体に住宅宿泊事業法の「届け出」を提出するだけで簡単に始めることができるのです。おそらく、これまでもホームステイなどで基盤が出来ていたからだとも言えるでしょう。
営業日数は年間で180日未満に限定されているので注意して下さい。もし、本格的に日数の制限を受けずに民泊経営を行いたい場合には旅館業の許可をとる方法があります。
民泊の「届け出」を行うにあたっては、住宅宿泊事業届出書を公式サイトからダウンロードすることができます。
※こちらのサイトから届出書のダウンロードをして頂けます。
国土交通省・観光庁 住宅宿泊事業届出書ダウンロード
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sangyou/juutaku-shukuhaku.html
※民泊は各地域の自治体によって、若干の規制等が異なります。まずは、窓口で届け出の方法を確認しておきましょう。
各自治体の民泊専用の窓口
http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/municipality.html#tokyo
部屋の写真を撮る
民泊の届け出を済ませたら、いつでも民泊を開始することが可能となります。
民泊を開始するためには、民泊情報サイトに部屋の写真や詳細を掲載しなければなりません。世界中のゲストはサイトに掲載されてある写真や詳細を基に宿泊先を決定するのです。
ですから、競合よりも魅力的な写真と詳細を準備することが大切です。
インテリアなどを工夫するだけで、泊まってみたいと思えるような部屋を創造していきましょう。写真の撮り方1つで、そのイメージは大きく変わります。
他にも、ホストの写真や家族やペットの写真、台所、リビングの写真、近所のおすすめの飲食店の写真などそこに滞在することの魅力をアピールしていきます。
リストアップ
写真が準備できたら、民泊情報を民泊サイトにリストアップします。
民泊サイトの定番
また、外国語が得意な方は英語や中国語などのサイトに載せることができます。ホームステイ型民泊を選ぶ外国人は全く日本語がわからない人も多くなり、日本系以外のサイトの方がゲストの獲得率も高くなるでしょう。
など参考にしてみて下さい。
なぜホームステイ型民泊は人気が高い?
冒頭でも軽く触れましたが、ホームステイ型民泊は日本語に興味のある多くの外国人たちに人気の民泊スタイルの1つです。
ホームステイ型民泊は、完全個室型のホスト不在の民泊に比べると、宿泊料は必然的に安くなるのが相場です。できるだけ安い費用で泊まる場所を確保したいと思う理由から、ホームステイ型が好まれるのは、当然のことです。
さらにホームステイ型の民泊には多くの付加価値がついてきます。その付加価値とは、ホスト不在の民泊ではけっして与えることのできない付加価値だといえるのです。
では、外国人側から見たホームステイ型民泊の魅力を口コミ情報などを参考にしながら、いくつか挙げていきましょう。
ホームステイ型民泊の魅力
国際交流
やはり、最も魅力となっているのは、外国人にとっての現地人である日本人と直接交流できる点です。ホテルは設備も完全に整っていて、プライベートも完全に確保できます。
ところが、実際に日本語を話す、聞く機会はごく限られてしまうのです。道を歩けば日本人だらけにもかかわらず、道中でいきなり話しかけるわけにもいきません。
ホームステイ型なら、日常的に日本語を話す機会にあふれています。
ホストのパーソナリティ
ホストが人間的な魅力に満ちた人であれば、ホストの存在自体が多くのゲストにとって大きな魅力となります。
日本人、外国人に関わらず、一緒に過ごした時間、会話の1つ1つが大切な思い出となって、別れ際には思わず涙ぐんでしまう人もいるとのことです。
その後、お互いに友人を紹介し合ったり、泊まる場所を紹介し合ったりと、交友関係を続ける人達もいます。
情報が得られる
ホームステイ型であれば、交通情報、観光情報、飲食情報などの情報がその場で日本人から教えてもらうことができます。
自分でオンラインで調べたり、マップで調べたりしなくとも、手間をかけずに便利な情報、地元の人にしかできない情報を即入手することができるから助かったとの声も多いようです。
家族的な雰囲気を味わえる
ホームステイ型民泊をする人の中には、家族数名で暮らしている人もいます。ご夫婦の子供に両親と大家族で住む住宅もあります。
そんな中で、ゲストとして暮らしているうちに、家族の一員のように扱われて、とても暖かい歓迎を受けたと語る外国人も少なくありません。
一人暮らしのホストの中には、ガールフレンドやボーイフレンドのように仲良く滞在期間を過ごした、という人もいます。
ホームステイ型民泊の活用事例
というように、ホームステイ型民泊を選ぶならあえてホームステイ型がいい、との声も多く聞かれる中、実際にはどのようなホームステイ型の民泊があるのでしょうか。
今後の参考にして頂けるよう、体験談や民泊情報などをいくつかご紹介しておきます。
費用3万円で月に14万円の収入!
自分が住む住居として、空き家を購入し、使わない部屋でホームステイ型民泊を始めた実体験がご覧いただけるサイトです。
初期費用は3万円:シーツ、布団、枕、バスタオルの購入費用
宿泊料金:一泊7,000円、月平均20日間の宿泊あり。
※スマートフォンのアプリの翻訳機能を使って、外国人との会話をこなしていく方法などが紹介されており、3万円から始める民泊として本にもなっています。(Amazonにて購入可能)
ホームステイ型民泊が自分を変えた!?
こちらのサイトでは、何の変哲もない普通のマンションの部屋を複数人の外国人に提供したホストの体験談がご覧いただけます。ホストとゲストの様子が写真で掲載されていて、とても楽しそうです。
英語圏のゲストが多かったようですが、身振り手振りでも全然気持ちは伝わった!とのことです。ゲストを迎え入れることがプラスに働いて、掃除をまめにしたりと意欲的な自分に変わることができたそうです。
まずはイベント民泊で試してみる方法も!
旅行の経験も少なくて、外国人と話したことがない人にとっては、興味はあっても民泊を始めることを不安に思う人もいるでしょう。
そんな人は、地域によっては自治体が実施するイベント民泊を利用してみるのがおすすめです。イベント民泊は、お祭りやスポーツイベントなどで一定期間のみ民泊に参加してくれる住宅を募集するものです。
イベント民泊の場合は、認可どころか届け出すら必要ありません。一度、自治体にイベント民泊の予定はないかどうか問い合わせてみるといいでしょう。
※以下の写真は徳島県の阿波踊り開催時のイベント民泊の際に撮られたもの
何気ない普通の日本の住宅です。ホームステイ型民泊では、意外と普通の一般的な住居が多く、かしこまらない気取らない、生活感のあるスタイルがむしろ好まれる傾向にあります。
阿波踊り開催時に実施されたイベント民泊の情報を、参考までにご覧ください。
まとめ
全体的に見るとホームステイ型民泊は、アパートや戸建などを完全に貸し出す民泊に比べると数は少なくなります。しかし、リピーターが多かったり、口コミで広がったりと根強い人気があるのがホームステイ型です。
近年、民泊が宿泊事業として参入できることが法律的にも認められ、宿泊業は今後多様な形で展開していくことが期待されています。
海外の民泊事情と比較すれば、国内の民泊は規制的にも厳しく、まだまだ改善の余地は多いのは否めません。しかしながら、多様な宿泊形態が存在する中でもホームステイ型民泊は、他ではけっして提供することのできない価値を生み出してきています。
いくら宿泊の需要が高まったとしても、その分宿泊施設の数が増えれば、そこには激しい競争が待ち構えていることを避けることはできません。
そんな中、このホームステイ型民泊は、その他の宿泊施設では経験できない人と人とのつながりによって、揺るぎがたい地位を築いていく思われる注目の民泊投資だと言えるのです。