徹底解説!銀行で買ってもいい金融商品、買ってはいけない金融商品について現役銀行員が徹底解説!

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銀行では様々な金融商品の販売をしています。昔は、銀行には預金商品しか扱いはありませんでした。

しかし、1997年に投資信託の販売が銀行で解禁されてから約20年が経ち、現在では、あらゆる金融商品の販売を銀行は行っています。

証券会社は、敷居が高いが身近な銀行ならいろいろ相談しやすい。このように思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、銀行で販売している商品ははたして本当に良い商品なのでしょうか?

今回は、銀行で取り扱っている金融商品の良し悪しについて現役銀行員の立場から徹底的に解説します。これを読めば銀行で扱っている商品の良し悪しを分かっていただけます。

預金

銀行といえば預金というイメージが強いと思います。預金には、普通預金、定期預金、積立預金などがあります。金利は、ひと昔前は、4~5%付いていた時代もありましたが、現在の金利は、普通預金で0.001%、定期預金で0.01%です。

100万円を1年間預けても100円にしかならないので金利目的で預金にしている人は少ないです。しかし預金は、変動なくいつでも下すことが出来るので生活の上で必要不可欠なものになります。

特に積立預金は、毎月一定額を貯めていくことが出来るので利用する価値は高い商品になります。

投資信託

銀行で販売している金融商品の筆頭格が投資信託です。投資信託が銀行で販売されるようになってから約20年が経過しました。多くの顧客が、銀行で投資信託の購入をしました。

身近な銀行で投資信託を購入できるようになったのはいいことだと思います。しかし、銀行の担当者を通して投資信託を購入することには反対ですなぜ銀行の担当者を通じて投資信託を購入しないほうが良いのでしょうか?

担当者を通して投資信託を買わないほうが良い理由

担当者を通して銀行で投資信託を買わないほうが良い理由は、2つあります。

担当者を通じて購入すると手数料の高いアクティブファンドをおすすめされる

担当者を通して銀行で投資信託を買わないほうが良い理由の1つ目は、手数料の高いアクティブファンドをおすすめされる可能性が高いからです。

投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドがあります。インデックスファンドとは日経單均株価やNYダウなどの株価指標に値動きが連動する商品です。指標に沿った運用をするだけなのでインデックスファンドは低コストになっています。

一方アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれるファンドの運用責任者がインデックスを上回る運用を目指すファンドになっています。アクティブファンドは、ファンドマネージャーが積極的に売り買いをするので、インデックスファンドに比べてコストが高いです。

コストが高くても実績が良ければ、いいのですが大抵のアクティブファンドはインデックスファンドに実績は負けています。しかし銀行はコストの高い投資信託を販売したいのでアクティブファンドを進めてくる傾向にあるのです。

頻繁に乗換えを勧められる

担当者を通して銀行で投資信託を買わないほうが良い理由の2つ目は、頻繁に乗換えを勧められることです。 

銀行では今はだいぶ変わりましたが、昔は購入時の手数料を取ることが一番評価されることでした。投資信託を保有していない顧客から投資信託を購入をしてもらうのは非常に大変です。

しかし、もともと持っている投信をほかの投信に切り替えるだけならそんなに難しいことではありません。銀行で投資信託を持っている顧客はそんなに投信に詳しくないので銀行員から切り替えたほうが良いといわれると簡単に別の投信に切り替えてしまうのです。

銀行でおすすめする投資信託

銀行で投資信託を買うことはデメリットだけではありません。メリットもあります。それはつみたてNISAです。

つみたてNISAはおすすめ

銀行で投資信託を買うのに対して否定的なことを述べましたが、一概に全部銀行で投信を買うことが悪いわけではありません。銀行で投信を利用するのであればつみたてNISAをおすすめします。

つみたてNISAとは、利益に対して非課税の投信になっています。年間40万円まで最長20年間積み立てることが出来るので合計で800万円の非課税投資をすることが出来ます。

債券

銀行では、債券の贎入をすることも出来ます。銀行で購入出来る債券は、円建ての債券、為替のリスクがある外貨建ての債券になります。債券は、金利も満期も決まっている商品なので自分にあった商品があれば購入しても問題はないと思います。

しかし既発債と 呼ばれる商品には注意が必要です。債券には、新発債と既発債があります。新発債とは.これから発行する債券です。対して既発債は、すでに発行されている債券のことをいいます。

新発債は、これから発行される債券なので金利などの条件を変えることは出来ませんが、既発債に関しては、条件を変更させることが銀行で行うことが出来ます。

あまり金利などの条件が厳しくない顧客であれば、銀行に手数料が多く入るように調整される可能性は十分にあります。既発債を購入する際には、金利などの条件を厳しめに要求することが大切です。

この条件を守ることが出来れば銀行で債券を買うのはおすすめ出来ます。

ファンドラップ

最近、銀行で非常に人気なのが、ファンドラップです。

ファンドラップとは、さまざまな投資信託に投資している商品のことをいいます。株に投資されている投資信託や、債券に投資されている投資信託など値動きの違う投資信託で運用されているので、相場環境にあまり左右されず運用できることが特徴です。

銀行は、最近購入時の手数料で評価する評価体系から、信託報酬から上がってくる手数料を重要視する評価体系に変化しています。フロー収益を重視する考え方からストック収益を重視する考え方になってきているのです。

このように変化してきた背景としては、購入時手数料に頼ることに限界を銀行が感じているからです。10年くらい前までは、銀行は購入時手数料を稼ぐことがすべての評価につながっていました。しかしこのような購入時手数料を重視する考え方では顧客はかなりの無理を強いられました。

ファンドラップは信託報酬が高いため、ストックビジネスにはピッタリの商品なのです。年間で3%以上のランニングコストがかかりますが、ファンドラップの商品のコンセプトは悪いものではありません。

信託報酬を許容できるのであれば、購入しても悪くない商品になります。しかし一番良いのは、信託報酬の安いインデックスファンドを自分で組み合わせて自分でファンドラップを作るのが一番良い方法です。

外貨預金

最近、銀行が販売に力を入れているのが、外貨預金です。外貨預金はシンプルで悪くない商品です。

しかし、銀行で外貨預金を購入することはおすすめしません。なぜなら圧倒的に手数料が高いからです。

銀行の手数料で多いのが、米ドルが片道1円、豪ドルが片道2.5円というものです。円から米ドルに交換すると手数料が1円かかり、米ドルが円に戻す時にまた手数料が1円かかります。

豪ドルは、円から豪ドルに交換するときに、手数料が2.5円、豪ドルから円に戻すと2.5円の手数料がまたかかります。手数料が1円かかるといわれてもピンとこないかもしれませんので具体的に説明します。

例えば、円から10万米ドルを米ドルに換えた場合、手数料は100,000円かかります。また米ドルから円に戻す時にまた100.000円かかるので合計200,000円の手数料がかかります。10万豪ドルの場合は、片道250.000円、往復で500.000円の手数料がかかってしまいます。

このバカ高い手数料が安くならない限り、銀行で外貨預金を購入するのは避けましょう。

最近は多くの銀行で、外貨預金のキャンペーンを行っています。預入期間2か月で5%の金利がつくようなキャンペーンが多いです. しかし預入期間が短いキャンペーンではとても元を取ることは出来ません。キャンペーンの金利に踊らされないことが重要です。

仕組預金

銀行で最もオススメできない商品が、仕組預金です。仕組預金とは、一般の円定期預金に仕組みが入った商品です。銀行で販売されている仕組預金で多いのが、以下のようなタイプの仕組み預金です。

  • 満期3か月
  • 金利:2%
  • 転換通貨:米ドル
  • 転換レート:スポットレート-1円

のようなタイプです。スポットレートが100円とすると、転換レートは99円になります。満期の3か月後に1 ドル99円より円安であれば元本も利息も円で戻ってきます。しかし、満期の3か月後に、1ドル99円よりも円高であった場合は、元本は米ドルに転換され戻ってきます。利息は円で戻ってきます。

この商品の売り文句は、今の為替より円高の水準で外貨を買うことが出来ますよ。もし外貨に転換されなくても高い金利をお付けできますよ。というものです。一見すると良さそうに見えますが、この仕組預金は最悪の商品です。

なぜなら、銀行のリスクは「0」、顧客のリスクは無限大になる商品だからです。仕組預金は、どんなに円安になっても金利分しか受け取ることは出来ません。一方、円高になっても、決められた転換レートでドルに代わってしまうのです。

つまり顧客は、円安になった時のメリットを受け取ることが出来ず、どんなに円高になっても一定の為替で米ドルに代わってしまうリスクを負うことになります。

仕組債

仕組債とは、一般の債券に仕組みを入れた金融商品になります。仕組債で最もポピュラーなのはデジタルクーポンという商品です。デジタルクーポンの商品性は、以下の通りになります。

  • ノックイン価格: 60%
  • ノックアウト価格: 105%
  • クーポンストライク: 80%
  • 金利3%or0. 1%
  • 満期:5年

のような形になっています。これだけ読んでも何のこっちゃという感じですが、これは日経平均株価にリンクしている商品になります。つまり日経平均株価が20,000円だとした場合、ノックイン価格は12. 000円、ノックアウト価格は、21,000円となります。

ノックインとは、この水準を下回ると元本が割れてしまう可能性出てくる水準です。この場合、12、000円を下回ると投資元本を下回ってしまう可能性が出てきます。しかし逆に言うと日経平均株価が60%まで下がらなければ元本が保証される商品になります。

満期はありますが、3か月に1回判定日があり、判定日にノックアウト価格を超えていれば満期を待たずにお金が戻ってくる商品性になっています。

仕組債は一見すると元本の安全性の高い良い商品のように見えますが、仕組債は本当に良い商品なのでしょうか?結論から言うと、仕組債は、仕組み預金に次いで買わないほうが良い商品になります。買わないほうが良い理由は、3つあります。

仕組債をおすすめ出来ない理由

仕組債をおすすめ出来ない理由は、2つあります。

利益が限定される

仕組債をおすすめ出来ない理由の1つ目は、利益が限定されることです。先ほどのケースの場合、どんなに日経平均が上昇しても金利分しか受け取ることが出来ません。

損失は無限大

仕組債をおすすめ出来ない理由の2つ目は、ノックインした場合の損失は無限大になることです。実際にリーマンショックの時に仕組債を保有していた顧客のほとんどが元本の半分以下になってしまいました。

保険商品

銀行で扱っている保険商品は、主に2つ分けることが出来ます。一時払い終身保険・一時払い個人年金、平準払い保険(死亡保険、医療保険など)です。

一時払い終身保険・個人年金

一時払い終身保険·個人年金ですが、結論から影と買わないほうが良い商品になります。なぜなら手数料が高すぎるからです。また商品性も良くありません。

一時払い終身保険·個人年金保険の手数料について

一時払い終身保険、一時払い個人年金保険は、銀行の個人向けビジネスにおける中核となる商品になります。保険会社は、保険を売ってくれる代理店をランクによって区別しています。

販売力の強い代理店ほど代理店のランクは上がります。銀行は、数ある代理店の中でも最高ランクに位置付けられています。なので銀行が、特に一時払い終身保険を販売すると、外貨建てのものだと最大で10%程度の手数料を受け取ることが出来ます。

1億円の一時払い終身保険を販売して入ってくる手数料は、なんと1,000万円にもなるのです。ここまで高い手数料率のものは銀行ではないので、銀行は、一時払いの保険商品を売りたいのです。

しかし銀行に手数料が入ってくるだけなら問題ないと思われている方もいるかもしれません。

この一時払い終身保険は顧客が負担する手数料もきわめて高いのです。一時払い終身保険は購入時の手数料はかからないものが一般的です。しか
10年以内に解約をすると最高で10%の手数料がかかります。

また保険を保有している間は、保険関係費用というランニングコストがかかります。この保険関係費用は、年間で3~4%かかるものが主になっています。もし10年保有したらランニングコストだけで30%~40%の費用がかかってしまうのです。

商品性が良くない

一時払い終身保険は、コストが高いだけでなく商品性もよくないのであまりおすすめできません。

銀行で販売されている一時払い終身保険は、ターゲット機能というものがついていて保険の機能よりも殖やすことをメインにしているのです。お金を殖やすことは悪くありませんが、そもそも保険に入る目的は大きな保証です。

資産運用の目的で入るのであれば保険ではなく債券でも買ったほうがよっぽどいいのです。ターゲット機能がついている保険は、レバレッジ機能と呼ばれる保険金を増やす機能がほとんどないので保険目的でターゲット機能がついている保険に入ることはかなり危険なのです。

もちろん一時払い終身保険の中にも、レバレッジの効いた非常にスペックの高い保険も存在します。しかしそのような保険は、健康診断が必要なことが多いです。

銀行にとって健康診断が必要な商品は非常に危険です。なぜなら顧客の健康状態によっては、保険に加入できない事態が発生するのです。高額の手数料がはいってこなくなる可能性があるので健康診断の必要ないターゲットタイプの保険をすすめてくるのです。

平準払い保険

平準払い保険ですが、こちらの商品は銀行で買うことをおすすめします。銀行ではいろいろな保険会社の商品を取り扱っているので保険会社1社と相談するよりもいい商品を紹介してもらえる可能性は高いです。

保険会社は会社ごとに得意な保険が異なります。医療保険が得意な保険会社もありますし、死亡保険が得意な保険会社もあります。保険に関しては、たくさんの保険会社から検討することがベターになるので銀行で相談するのはよいことだと思います。

まとめ

今回は、銀行で購入してもよい商品,購入してはいけない商品について説明しました。預金をしに行きがてら、投資信託や保険の相談が出来ることは便利です。

銀行は駅前の好立地にあることも多く,アクセスの良さも魅力的です。しかし、銀行で扱っている商品の中にはどう考えても買ってはいけない商品もあります。

銀行は、保険や投資の専門家ではありません。知識も非常に薄いですし結局は収益になるものを売りつけてきます。

銀行で扱っている商品のすべてが悪いというわけではありません。しかし、銀行員のいいなりになってしまっては最悪です。自分の資産をしっかり守るためにも知識をしっかりつけて銀行に相談に行くことをおすすめします。

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