初心者必見!ペット保険には入った方がいい?病気でも入れる? ペット保険の基礎知識

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国内でペット保険が初めて発売されたのは1995年。実はまだ新しい保険プランの1つですが、ペットと暮らす多くの人がペット保険の登場を待ち望んでいました。

約100年前に世界で初めてペット保険の販売がスウェーデンで始まって以来、イギリス、アメリカ、カナダ、そして日本でも一般的な保険の1つとして考えられてきています。

最近では単身世帯が増えてきたことや、子供の遊び相手や高齢者の話相手としてペットを飼い始める人も増えているようで、ペットを家族の一員として認識する傾向が強くなってきています。

これから初めてペットを飼い始める人にとっては、ペット保険が入った方がいいのか、ペット保険がどういうものなのかよくわからない人もいるでしょう。

今回はペット保険の基礎的な内容と、合わせてすでに病気の際には入れるのかどうかも解説していきます。大切なペットのために参考にしてみて下さい。

ペット保険の基礎知識

それでは、ペット保険とはそもそもどのような保険なのか、ペット保険の基礎をわかりやすく解説していきます。

ペット保険はどんな保険

かつてペットの医療には保険制度がなかったので、大切なペットを病院に連れていくたびに診療・治療費の全額を飼い主が負担していました。現在、利用できるペット保険とは人間が使う医療保険(健康保険)のように、ペットがケガや病気をした時に医療費を補償・軽減してくれるものになります。

実際には全額を負担してくれる保険は少ないの現状で、5割~7割補償が一般的です。

近年では、国内だけに限らず動物医療の技術向上により、高度な手術や長期治療、高度治療などが発達しており、医療費も高額になる可能性が高いといえます。

そんな時にペット保険の補償を利用して、負担を抑えて大切なペットの治療を行うことができるのです。

ペット保険の補償内容

ペット保険の補償内容は、加入する保険会社によって異なりますが、基本となる補償をいくつかご説明します。

通院
動物病院に通院する際に支払われる補償で、診療・治療費、薬代などが対象となります。

入院
動物病院に入院した際に適用される補償です。

手術
動物病院で行う手術の費用、手術に必要なその他薬や備品などの費用に対する補償です。

補償割合
補償割合は実費(支払った金額)の50%~70%を補償するものが多くなりますが、中には90%、100%、年間で100万円などの条件も探すことは可能です。

その他の補償
その他にも、基本補償や追加オプションとして、

  • ペットセレモニー(ペットのお葬式)
  • ペット車イス(ペットに車イスが必要な時)
  • 対人・対物賠償補償(人や物にペットが被害を与えた時)

などの補償を選ぶことができます。

付随するサービス
大切なペットの健康相談が無料で電話やメールでできたり、ペットホテルやペットショップの利用が割引になったり、その他付随してくるサービスもペット保険を選ぶ際のポイントとなります。

開始時期/支払い方法

ペット保険は基本的に年間契約をする場合が多くなり、開始時期は加入する保険会社によって、申し込み日から適用日までにかかる日数が異なります。加入する前には「いつからいつまで適用」なのかを確認するようにしましょう。

ペット保険の中には、補償が開始となっても「待機期間」というものが生じるために、1年間で契約しても実質は11カ月間しか保険が利用できないという保険もあります。「待機期間」が発生するのかどうか、発生するとすればどれくらいの期間なのか注意する必要があります。

支払い方法は、年払いと月払い、クレジットカードや振り込みなどを選べるペット保険も多くなるので、要望に合ったものを探すことができます。

保険金の請求方法

 

それでは、いざペットがケガや病気をして動物病院を利用した際に、保険金はどのように支給されるのでしょうか。

保険金の支給の際には、一旦、自分で全額を支払うことが必要となり、その支払った金額を保険会社に通知するとい仕組みになっています。

  1. ペットがケガや病気をして動物病院に行った
  2. 動物病院に自分で全額支払いをした
  3. 支払った金額を保険会社に通知して保険金を請求
  4. 審査後、各自の指定口座に保険金が振り込まれる

といった流れになり、請求する際には、それぞれの保険会社が指定する請求書類(領収書や獣医の承認など)を郵送して請求手続きを行います。

加入できるペット

ペット保険に加入できる動物は犬と猫が一般的で、ペット保険によって年齢制限が設けられています。人間と同様に高齢であればその分、病気にかかる確率も高くなってしまいますので、高齢なペットほど保険料は高くなる傾向にあります。

また、他の動物は入れないのかと気になる人もいるでしょう。

犬や猫意外のペット保険を取り扱っているところは少なくなりますが、

ウサギ、フェレット、ハムスター、リスザル、インコ、オウム、カメ、イグアナ、ハリネズミ、リス、モルモットなどその他の小動物や鳥、爬虫類でも可能な保険会社はあります。

犬・猫意外の保険の場合も、それぞれ保険プランによって補償内容や加入できる年齢など異なりますので、事前に調べてから加入するようにしましょう。

ペット保険会社

ペット保険会社は国内にいくつくらいあるのでしょうか。まだ歴史の浅いペット保険は現在のところ限られていますが、今後は取り扱いが増えていくだろうと期待されています。

実際にどんなペット保険会社があるのかご紹介しておきましょう。

  • FPC/FPCペット保険(犬・猫) 参考リンク
  • アイペット損保/うちの子(犬・猫) 参考リンク
  • ペットメディカルサポート/PS保険(犬・猫) 参考リンク
  • アクサダイレクト/ペット保険(犬・猫) 参考リンク
  • ペッツベスト/ペット保険(犬・猫) 参考リンク
  • アニコム損保/どうぶつ健保(犬・猫・鳥・ウサギ・フェレット) 参考リンク
  • ペット&ファミリー/げんきナンバーワン(犬・猫) 参考リンク
  • au損保/ペットの保険(犬・猫) 参考リンク
  • 日本アニマル倶楽部/プリズムコール(犬・猫・小動物・鳥・爬虫類) 参考リンク

などがあります。

料金の相場
そして、気になるのが保険料金ですが、ペット保険の料金相場は概ね年払いで15,000円~30,000円月払いで1,500円~3,000円くらいになります。

ペットの種類、年齢、基本補償、補償金の上限などによって様々な料金プランがあります。高齢のペットであれば、手術に備えた方がいいとか、若くて元気なペットであればひとまず最低限の補償でいいとか、それぞれの要望に合わせた内容を選ぶことが重要です。

例えば、今すぐはつけないけれど、いざという時には追加オプションや、無料で利用できるサービスにはどんな補償があるのかも考慮て料金のバランスを考えるといいでしょう。

申し込み方法

ほとんどのペット保険はインターネットで見積もりや申し込みが可能です。事前にメールや電話で問い合わせができるので、気になることは確認してから申し込むことが大切です。

加入する保険会社によって、手順は若干異なりますが大まかな流れは以下のようになります。

  • 申し込み書類を保険会社に請求(郵送かオンライン)
  • 申し込み書に必要事項を記入(郵送かオンライン)
  • 審査後、「引き受け承諾書」が届きます。
  • 保険料の初回の支払いを行う
  • 入金確認後、保険証券が発行される

保険証券が発行されてから、実際に補償が開始されるまでの期日には差がありますので、事前の確認を忘れないようにして下さい。

申し込みに必要な書類

Woman
ペット保険に申し込む時にはどんな書類が必要なの?
Expert
保険プランによりますが、基本的には保険会社指定の契約申し込み書、告知書の2通でお申し込みして頂けます。

保険プランによっては、

  • 獣医による健康診断書
  • 3か月以内に撮ったペットの写真
  • 個体識別申し込み書(希望する場合)
  • 血統書やワクチン証明書

などが必要となる場合もあります。

ペット保険のメリット

ペットを飼っている人は、ペット保険に加入するべきなのでしょうか。ペット保険に加入するメリットを考えていきましょう。

気軽に動物病院が利用できる

人間の場合は病気やケガで病院に行った際には、たいてい健康保険を使用することで、1割~3割負担で済んでいます。従って、実際に医療にいくらかかっているのか認識している人は少なくなります。

ところが、動物病院に行ってみると一回の診察費や治療代は実費で計算されます。人間の医療費ほどかからないとしてもそう頻繁に利用できる金額ではないと言えます。

極力、病院に行かないように気をつけたとしても、大切なペットがケガをしたり病気をしたりするリスクを避けることは不可能です。

初診料の平均は1,386円、注射をした場合が種類によって2,000円~5,000円、一日入院すると1万円前後、血液を輸血すると1万円前後となります。

「社団法人・日本獣医師会による診療費などの調査統計」では動物病院の料金の平均や利用状況に関するデータを確認して頂けます。参考にしてみて下さい。

ペット保険に加入していれば、病気やケガになった時や、心配や不安がある時にはいつでも気軽に動物病院の利用ができるから安心です。

早期発見・早期治療

ペット保険に加入することで、普段から動物病院を気軽に利用できることから、早期発見・早期治療を実施することが可能になります。

動物は言葉が話せません。調子が悪い、関節が痛いと犬本人が思っていてもそれを飼い主に伝えることができず、症状が悪化してから病院に行く事態となることもあるでしょう。

症状が悪化してしまうとそれだけ、大きな治療が必要となり、治療にかかる期間も長引いてしまいます。

早期発見・早期治療が実現できればそれだけペットの医療費も最小限に抑えていくことができるのです。

高額医療に備えることができる

また、実費では高額になりすぎて支払いが不可能だと思われるような医療費でも、ペット保険に加入していれば医療費をを大幅に削減していくことができることです。

癌、椎間板ヘルニア、脱臼、腎不全、膀胱炎、尿道結石症、歯周病、皮膚炎など

動物も人間と同じような病気にかかり、その治療にかかる費用は数万円で済むものもあれば、40万、50万、100万円以上とかかる場合もあります。

ペット保険に加入していれば、そのような高額治療が必要な時にでも、ためらうことなく大切なペットの治療に取り組むことが可能となります。

ペット保険のデメリット

では、ペット保険に加入するデメリットは何なのでしょうか。デメリットも理解した上で要望に合ったペット保険を探すことが大切です。

ペット保険を利用しない可能性がある

人間では、一生のうちに一度も病院に行ったことがない人はゼロに等しいと言えますが、動物は人間よりも野生に近いため自然治癒力にも優れており、もしかすると動物病院を利用しない期間が長くなるかもしれません。

用心してペット保険に加入したけれど、健康上で不安に思うこともなく数年が過ぎたとします。

ペット保険は掛け捨て型の保険しかないので、数年分の保険は結局無駄に支払ったことになってしまいます。

Expert
しかし、翌年に重度のケガや病気になる可能性があるわけで、やはり無駄になったとしても加入しておく価値は高いでしょう。

まずは実費で全額払う必要がある

いくらペット保険に加入することで、ペットの保険料が大幅に削減できるといっても最初は自分で全額支払う必要があります。もし、その金額が高額となれば工面することが困難な場合もあるでしょう。

仮にその金額が数万円で済んだとしても、本人の状況によってはその数万円すら用意することが難しい人もいるかもしれません。

後で保険金が支給されとしても、最初に必要となる金額は変わらないことが、デメリットの1つでもあるでしょう。

Expert
確かに、支払い時に割引きが適用されれば助かりますね。動物病院に分割支払いの相談をしてみるといいでしょう。

補償と保険料のバランスが悪い保険もある

保険プランの中には、1日当たりの補償上限金額や年間の利用回数、年間の補償上限金額が定められているものもあります。保険料が高いのに、補償制限が厳しくバランスの悪い保険があるのも事実です。

また、1日当たりの補償金額に制限がなくても、年間の補償上限金額が低く設定されてある場合や、保険が適用されないケースを見逃していたりすると、いざ使いたい時にペット保険が役に立たない可能性も考えられます。

Expert
ペット保険を決める時には、事前に最低限確認しておく内容があります。
  • 契約期間・補償開始日・待機期間
  • 基本補償・追加できる特約
  • 補償対象外の病気や治療
  • 自己負担金額の最低料金
  • 終身補償はあるのか
  • 保険料
  • 無料でできる相談・問い合わせ

いくつか気になる保険プランを比較検討して、上記の内容をしっかり確認してからペット保険を決めていくことが大切になります。

契約してしまってから、後で後悔することのないペット保険を選ぶようにしたいですね。

ペット保険は病気でも加入できる?

ペットを飼い始めた人の中には、いざペットが病気やケガをするまでペット保険の存在を知らなかった人も中にはいるかもしれません。

あるいは、ペット保険に入ろうかどうか迷っている時にペットが病気やケガをしてしまうこともあるでしょう。

ペット保険は病気でも加入できるのでしょうか。

ケガや病気をしてからでは遅すぎる!

すでにケガや病気をしいる場合は、人間の保険と同様に残念ながら、ペット保険に加入することができません。このような状態を避けるために、ペット保険は健康な時に入っておくことが大切なのです。

なぜなら、病気やケガをしたときだけ保険に加入する人が増えれば、保険金の資本となる加入者の保険料が確保できず経営自体が成り立たなくなるからです。

ただ、既往症の場合は条件付きでペット保険に加入できる場合もあります。

既往症は加入できる可能性がある

既往症には2種類あって、

  1. 以前かかった病気やケガが原因で現在も身体に不具合がある場合
  2. 以前かかった病気やケガが完治している場合

この既往症がある場合には、ペット保険に加入する際には事前告知しておくことが加入者の義務とされています。

既往症の内容によって、ペット保険に加入できない場合と条件つきで加入できる場合に分かれます。

加入できない可能性が高い既往症
悪性腫瘍、心疾患、腎不全、糖尿病、神経系疾患、猫伝染性腹膜炎、猫免疫性不全ウイルス感染症、甲状腺疾患、肝硬変、ホルモン性疾患、など・・・

条件つきで加入できる可能性がある既往症
心疾患(種類によっては可能な場合もある)、股関節形成不全、膝蓋骨脱臼(パテラ)、フィラリア、緑内症、白内症、骨折、腫瘍、猫コロナウイルス感染症など・・・

保険会社によって基準が異なる

既往症に対する判断は、それぞれの保険会社で異なります。比較的、加入できない病気数の数が多く保険会社は審査が厳しいと言われています。

あくまでも参考までに、

加入できない病気の数が一番多いのは、日本アニマル倶楽部/プリズムコール。

加入できない病気の数が一番少ないのは、アニコム損保/どうぶつ健保。

以下のサイトでは、各保険会社の加入できない病名(既往症)が確認できます。ペットの病名が表記されていない保険会社を選ぶと加入できる可能性は高くなります。

現在ペットがかかっている病名が記載されておらず、どうなのかな?と思った場合は試しに申請してみることをおすすめします。

まとめ

これまでペットを飼ったことがない人は、初めて動物と暮らし始めることになるわけで、動物病院を使うことがあるのだろうか、ペット保険は必要なのだろうかと迷ってしまう人もいるでしょう。

動物も人間と同じように、思いがけずケガをしたり、病気になったりすることがあります。

動物と暮らし始めるとわかることですが、ペットのケガや病気は想像以上に飼い主の心を痛めてしまうものです。ペットは多くの飼い主にとって他の何にも代えがたい貴重な存在となり、時には家族や友人以上に飼い主の心を支えてくれる存在ともなり得るのです。

飼い主の中には、親族がいるにもかかわらず莫大な遺産をペットに遺す人や、事故で死亡したペットへの悲しさのあまり多額な慰謝料を請求する人もいるくらいです。

いざという時に備えて、大切な家族でもあり友人でもあるペットのために、ペット保険に加入しておく事は飼い主自身のためでもあるのです。

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