目次
出典(トップ画像):NTTドコモ
楽天Edy、nanaco、WAONなどいくつか電子マネーがある中で今回は「iD」について説明します。
iDはNTTドコモと三井住友カードが提携運営している電子マネーで、事前のチャージがいらない「後払い方式」が特徴です。残高を気にすることなく素早い支払いができることがiDの大きなメリットとなっています。
ただ、後払い方式であることからクレジットカードとの併用が条件であることや(一部異なるものもあり)今では当たり前となっている「ポイントサービス」との関係など、他のチャージ式電子マネーの感覚と異なっているところがいくつかあります。
従って、iDの利用に際しては予めきちんとその使い方などをおさえておくことが大切です。
電子マネー「iD」とは?
出典:NTTドコモ
iDの魅力
「支払いをより簡単・スピーディーに」
iDは電子マネーの中では比較的珍しいポストペイ型(後払い方式)で、他の電子マネーにはない特徴やメリットがあります。
おサイフケータイやiD一体のクレジットカードなどを、レジで読み取り端末にかざすだけで支払いを済ませることができます。
利用を始めるにあたっては、クレジットカードを登録することが前提となっており(詳細は後述)、カードの原資がその金銭的な拠り所となっております。
その程度ならば最初からクレジットカードを使えばいいのではないか?と思われるでしょう。
iDはクレジットカード払いのデメリットである「サイン」や「暗証番号」の入力を省略するシステムを持っていることから、カード利用をよりスムーズにさせ、素早い支払いを可能としている部分に大きな存在意義(メリット)があるのです。
出典:NTTドコモ
「セキュリティの強化」
またクレジットカード払いでは店員にカードを渡すことで、カード番号のコピーや不正利用などの懸念があります。
ところがiDによるかざすだけの支払いにおいては、店員にカード等を渡すこともなく極めて短時間で支払い作業も終えられるため、セキュリティ性能が高くなるといったメリットも生み出しています。
「後払い方式」
後払いのメリットは何といっても、電子マネーといいながらチャージ残高の概念が無いため、いつでもそのことを気にせずに使えることです。
厳密には電子マネーというよりは支払い実行機能の新タイプといった存在で、後払いというのはそれを実現させるために必然的に出てきた形です。
iDの基本事項
「代金の支払い」
後払い機能等の他、iDの基本的なルールとしましては、支払いは1回払いのみで、ショッピングやサービスなどの利用代金は登録しているクレジットカードから後日請求される形となります。
また、ドコモ契約者限定ですが、お持ちのdポイントをiDの支払いに充当することが可能となっております。
これはdポイントクラブで行っている「交換商品につかう」の中の「iDキャッシュバックコース」というもので、2,000ポイント単位で毎月20口分までポイントをiDの利用代金に充てることができます。
出典:NTTドコモ
ただし期間限定ポイントは対象外となっております。
「ポイント」
iD独自のポイントサービスはありません。ポイントについては、登録しているカードが運営しているポイントサービスが適用されます。
iDにとって最もポピュラーなカードであるドコモの「dカード」シリーズを登録していれば、dポイントが貯まることとなります。
ただ、ポイント還元に熱心なドコモですのでキャンペーンを通じて、iD独自のポイントアップサービスを実施していたりすることがあります。
出典:NTTドコモ
「使えるお店」
提携店舗が非常に多く、ローソン、ファミリーマート、セブン-イレブンはもちろん、大手ファミレス、マクドナルド、すき家、エネオス、BIG ECHO、洋服の青山など誰でも知っているようなお店からその他様々な店舗でiDが利用できるようになっております。
*お店の検索
またネットショッピングにも対応しており、iD支払いに対応しているオンラインショップであれば、クレジットカードの番号等がiDによって自動的に読み込まれ、通常よりも安全に決済を行うことができます。
「電源がoffでも利用可能」
スマホにおいては電源のオン/オフ、また電波状況に関係なく店頭での支払いを行うことができます。ただしバッテリー切れの状態では使うことができません。
iDの支払いタイプ
出典:NTTドコモ
iDの支払い方式が後払いであることは既に何度かお伝えしているところですが、正確には実は全部で3種類用意されております(ポストペイ、プリペイド、デビット(即時払い))。
現在利用者が最も多いのは、クレジットカード所有者がその恩恵を一番得られる「後払い方式」なので、一般的にはポストペイ型として知られているわけです。
では以下にその3種類について説明します。
ポストペイ型
電子マネーiDで最も基本的な後払い型ですが、3種類含め支払い型を決定するのは所有する物理カードの種類によります。
例えばクレジットカードを所有してプリペイド型やデビット型の支払いを行うことはできません。また逆にプリペイドカードをポストペイ型のカードとして登録することもできません。
プリペイド型
プリペイドカードとして事前にお金をチャージして使います。対応しているカードは「dカードプリペイド、ソフトバンクカード、チケットレストランタッチ」のみです。
プリペイド型にどういったメリットがあるのかと言いますと、例えばドコモのdカードプリペイドの場合、カード自体はMasterブランドとして同加盟店で利用できます。
そしてiDの方は、iDをVisaやMasterのごとく1つのカードブランドのようなものと考え、MasterだけでなくiD加盟店でも同カードが使えるということなのです。「後払い電子マネー:iD」といったイメージを完全に無視すると理解しやすいです。
ただし一部のガソリンスタンド等では利用できない場合があります。
デビット型
デビットカードと同じく利用代金が即座に銀行口座から引き落とされるタイプで、現在は三井住友銀行が発行している「SMBCデビット」のみの取扱いとなっております。
SMBCデビットはVisa銘柄のデビットカードですが、こちらもプリペイド型と同様にiDは1つの決済ブランド的な存在として、iD加盟店であればVisa取扱店でなくても使えるといったものです。
出典:(株)三井住友銀行
iDを使う形態
出典:NTTドコモ
クレジットカード一体型
出典:NTTドコモ
クレジットカード本体をレジにある読み取り機にかざして支払いを行います。使う時にレジで「iDで」と申し出ることが必要です。
出典:NTTドコモ
(iD公式サイト動画より)
出典:NTTドコモ
(iD対応クレジットカード一覧)
おサイフケータイ対応スマートフォンで使う
iDアプリをインストールしクレジットカードを登録することで利用できます。
*iDアプリ ダウンロード
ドコモのスマホではアプリが最初からインストールされている場合があります。また最大で10枚までのiDを設定することができます。
ApplePayで利用する
ApplePayで使える電子マネーの中にiDも含まれております。iPhone並びにApple Watchで使うことができます。
出典:Apple Japan
dカードmini
こちらはドコモの携帯契約者のみが利用できるもので、クレジットカードがなくてもiDアプリ上にdカードminiを登録してiDを利用することができる特殊な後払いタイプです。
dカードminiでは月の利用限度額が5,000円/11,000円/30,000円のいずれかに決められております。
またdカードminiからのポイントとして0.5%の還元率でdポイントが貯まります。
出典:NTTドコモ
iDとクレジットカードについて
出典:NTTドコモ
iDを上手に活用するクレジットカードの例
ここでは、iDに登録できるクレジットカードの中からいくつかのカードを紹介します。iDの利用でお得になるものや、対象となる方は限定されるものの便利に決済ができるようになるカードなど、なるべくメリットとなる点を持ったカードを取り上げてみます。
「三井住友カードiD 専用カード」
三井住友カードにてiDを利用する方法です。
既存の三井住友カードで一体利用する方法と、「iD専用に追加カード」として所有する方法とがあります。
iD専用の追加カードは特殊であり、三井住友カードのみの取扱いとなっております。
出典:三井住友カード(株)
iD専用のカードを所有することは、実はカード類が増えてしまうというデメリットがありますが、逆に支出を特定した使い方や予算範囲の限定といった計画的な出費やお金の節約等を図ることができます。
またカードの分散化によって紛失や盗難などの際に被害を一定限度に食い止めることができたり、災害時においては利用可能な決済手段が分からない事が想定されることから、支払い方法のリスクヘッジといった役割を狙うことができます。
ちなみに三井住友カードはドコモとともにiDを共同運営しておりますので、上記のような非常事態においては最速レベルの対応を期待することができます。
「Orico Card THE POINT」
iDを活用してポイントもお得に貯めたいのであれば、こちらのカードがおすすめです。
通常なら最低でもオリコポイントの還元率は100円に付き1ポイント。ネットショッピングでは「オリコモール」にて0.5%が追加還元されます。
オリコは個人用クレジットカードから企業・法人向けのカードまで、金融的なサービスの頑張り具合が他のカード会社よりも比較的強く、年会費無料や初心者にも遠慮のないレベルの融資を行うなどの特徴があります。
「ドコモ dカード/dカードGOLD」
dカードの利用がお得なのはもはや説明不要の感じもありますが、こちらのカードはdポイントの還元率が高いことや、「dカード ポイントUPモール」というdカード所有者のみが利用できるオンラインショップの利用でかなりdポイントを貯めることができます。
出典:NTTドコモ
同サイトから利用可能な店舗として楽天市場、Yahoo!ショッピング、ヤフオク、amazon、その他各種ネットストアがあります。
また、クレジットカードと支払い方法(iD)がドコモを経由するものであり、セキュリティや個人情報の取扱いへの信頼感は非常に大きく、度重なる買い物も安全です。
iDのあまり気づかれていないメリット
非日常のシーンで
iDを使う理由は、クレジットカード決済におけるサインや暗証番号の入力を省略させ、スムーズな支払いを行うというものですが、「もしiDが無かったら」と考えてみますと他にも色々と思い当たるメリットが出てきます。
クレジットカードは現在日本のキャッシュレス普及率の低さの中で大変貴重な決済手段ですが、生活のあらゆる場面においてまだ完全に対応しているとは言えないところがあります。
気分が高揚していたりお酒の勢いで冷静さに欠けている場合は、カードの紛失や盗難などの懸念もあります。
またサイン署名がいいかげんになったり、アルコールのせいで暗証番号を忘れてしまったり何度も入力し直したりなどの心配もあります。
クレジットカードはこういったケースには苦手であり、その懸念が的中した際には思わぬ被害が発生する可能性が出てくるのです。
野外イベント等への進出
例えば下の画像の様な野外イベントにおいては、人ごみが多く財布やカード類などの露出は必要最小限にしたいところです。
出典:NTTドコモ
また、小さな子供連れの場合には子供へ常に目を離さないようにしなければならない事情もあり、カード利用におけるサインや暗証番号の入力が面倒であったり、子どもへの注意の隙ができてしまうといった事にもなってきます。
カード一体型であってもサイン・暗証暗号不要で支払いを済ませられ、すぐに子供の面倒を再開することができたり、片腕に子供をかかえながらiDで簡単にクレジット払いが済ませられたりもできるのです。
iD決済の専用ブースで支払いを行えば、野外イベントでありがちな「長蛇の列」から逃れることができ、時間を有効に使うことができるといったメリットもあります。
またドコモではiD利用の場を提供するばかりでなく、iD利用者にソフトドリンク無料券のプレゼントや利用者特典を提供するなど行っています。
出典:NTTドコモ
クレジットカードの弱点を補う
クレジットカードのセキュリティに関しては、第三者による不正な関与がよく取り上げられますが、そいった不正なケースばかりでなく、利用者の心身の状態や生活シーンといった存在も、快適で安全な決済を行う上で軽視できないポイントなのです。
まとめ
出典:NTTドコモ
電子マネーiDは、それ自体がマネー機能を有しているものではなく、クレジットカード決済における不便さの解消を図ったり、カード特有の繊細さを守るための新しい支払いの仕組みであります。
利用者を取り巻く様々な状況や幅広いライフシーンにおける安心・安全なお金のやりとりを提供する決済ツールであるのです。
以下にiDの特徴や本ページの内容を整理してみます。
- 「iD」は後払い決済ができる電子マネー
- クレジットカードの登録が必要(他の方法もあり)
- レジでカード/スマホをかざすだけの簡単で素早い支払いが可能
- サイン・暗証番号不要(一部例外あり)で上記の手軽さを実現
- iD利用でお得となるクレジットカードを選ぶのも上手な使い方
- 人との遊興・飲食中で気が散漫になりやすいケースでもiDで不足なく支払いが行える
- 野外イベントなど不特定多数が集まる場所でも安全・簡単・素早い決済が可能
電子マネーやクレジットカード、モバイル決済手段が乱立している現在において、便利さとともに安全性の確立が急がれています。
クレジットカードの被害は減少する兆しがなく、キャッシュレス決済がまだまだ発展途上な中で、現状においてはiDのようなタイプの電子マネーの利用価値は非常に大きなものとなっております。