アパートローンの金利の相場は?おすすめの銀行と審査の注意点まとめ

これからアパート経営を始めるにあたって、アパートローンを利用して不動産購入を考える人も多いでしょう。そこで気になるのがアパートローンの金利です。

アパートローンの金利の相場はどれくいなのでしょうか。

様々なタイプのアパートローンがある中、金利の利率によってトータルの費用には大きな差が出てしまいます。できるかぎり金利の低い銀行から融資を受けたいものです。

今回は、アパートローンの金利の相場と、おすすめの銀行と審査、その他注意点などについて解説していきます。

アパートローンの金利とは

アパートローンを組む際に気になるのが金利。今は低金利と言われていますが、今後の金利政策がどのように動いていくかは誰にもわからないことです。

アパートローンとは、

不動産投資ローン、マンションローンなどとも言われている、賃貸用の不動産を取得するための融資のことです。

購入する不動産を担保にして銀行などの金融機関から融資を受けることができます。

アパートローンは、購入目的や返済の原資が家賃であることから、住宅ローンとは一般的に区別されており、投資の要素が強いと言えます。従って、給与収入も大切な要素ですが、家賃収入の見込みも重視されるローンとなります。

まずは、アパートローンの金利の仕組みについてご説明致します。

アパートローンの金利は大きく分けて2種類あります。

  1. 固定金利型
  2. 変動金利型

となり、一般的なローンと同様に年間での金利率で計算され、毎月適用されます。それぞれ、どのような金利になるのでしょうか。

固定金利型

「固定金利型」はさらに2つのタイプがあります。

全期間固定金利型
全期間固定金利型は、返済期間中に金利が変わらないものです。返済期間を10年・20年と定めた際に、返済期間が終了するまでは一定の金利が適用されます。

固定金利選択型
固定金利選択型は、金利が固定になる期間を選択することができます。2年・3年・5年・10年などと限られた期間のみ固定金利を適用する方法です。期間終了時には変動・固定と選ぶことが可能です。

※原則として固定金利型は、繰り上げ返済ができません。何かの事情で物件売却して返済する場合には違約金がかかってしまいます。

変動金利型

変動金利型は、金利が毎月変動していくものです。基本的には年に2回、基準金利に基づいて金利の設定が行われますが、ローンによっては毎月金利が設定されるものもあります。

近年では、金融政策によって低金利傾向にあることから固定金利よりも変動金利の方が低くなる場合が多くなります。ほとんどのローンで、変動金利から固定金利への変更は可能となります。

※予想外に急激な金融緩和が行われた際には、変動金利より固定金利の方が安くなる可能性もありますが、非常に稀なケースだと考えていいでしょう。

アパートローンの金利の相場

では、気になるアパートローンの金利の相場はどれくらいなのでしょうか。

利用する金融機関によって金利差はありますが、アパートローンの相場は概ね1.5~4.5%です。
※ちなみに、住宅ローンの相場0.8~1.5%くらいです。

銀行の種類別で考えると、

メガバンク→地方銀行→信用金庫→ネット銀行→ノンバンク(銀行以外の金融機関)

の順番で金利が高くなっていく傾向にあります。

一般的にノンバンクは高金利となり、よほど高金利物件(実質利回り)であるか、短期で完済するかしないと赤字となる可能性が高くなります。

また、アパートローンの場合は融資を受ける本人の信用度によっても金利が変動するケースも多々見られています。同じアパートローンを利用するとしても、信用度の低い人の金利が信用度の高い人の金利より高くなる場合があるということです。

低金利のメガバンクで融資を受けるためには、不動産投資の実績がある、信用度が高いなどの要素が必要となるのが現状だと言えます。

金利が低いほど審査が厳しくなり、金利が高いほど融資は受けやすくなるのです。

それぞれ銀行の種類によって、どれくらいの金利が適用されているのかを見ておきましょう。

メガバンク

日本政策金融金庫 
政府が運営している金融機関で金利が最も低い金融機関の1つです。個人事業主、中小企業を対象に融資を行っています。金利は政策金利に応じて3カ月おきくらいに変動していく仕組みとなっています。

金利:1.25%~1.8%前後

三井住友銀行
三井住友銀行では「直担アパートローン」が利用できます。融資額は200万円以上から可能。

固定金利:3.25%~
変動金利:1.0~2.0%前後

みずほ銀行
みずほ銀行のアパートローンは前年度税込収入が200万円以上の方が対象となっています。

固定金利:3.10%~
変動金利:1.0~2.0%前後

地方銀行

千葉銀行
千葉銀行では「ちばぎん金利選択型アパートローン」が利用できます。不動産賃貸を本業としていない方、ちばぎん保証に加入することが条件となっています。

固定金利:3.25%~
変動金利:1.2~2%前後

静岡銀行
静岡銀行ではアパートローンの変動金利型と保証人扱い型のどちらかを選ぶことができます。

金利:1.2%~3.3%前後

福岡銀行
福岡銀行ではアパートローンの固定金利型と変動金利型のどちらかを選ぶことができます。固定金利の期間終了後に変動への切り替えも可能です。

固定金利:3.0%~
変動金利:1.2%~3.5%前後

ネット銀行

住信SBIネット銀行
住信ネット銀行では、アパートローン・不動産投資ローンはありませんが、不動産担保ローン・目的別ローンとしての融資を行っています。

金利:2.99%~8.90%

楽天銀行
楽天銀行では、フラット35住宅ローン・不動産担保ローン・スーパーローンとしての利用が可能です。

金利:1.61%~14.50

その他

信託銀行 金利:2.50%~3.50%前後
信販会社 金利:2.90%~4.40%前後
カードローン系 金利3.0%~18.0%前後

アパートローンおすすめの銀行は

アパート経営・不動産投資が始てめの人にとっては、条件に合った価格の物件が見つかった段階で安心してしまう人もいます。しかし、購入を決断した後に大切なのが、融資を受ける銀行を選ぶことです。

物件選びをしながら、融資に関する知識や金融機関の情報も並行して調べていくことが、アパート経営を成功させる戦略の1つになります。

無差別に申し込んで、審査に落ちてしまったら、その履歴はネガティブな要素として金融機関のネットワークに記録が残ってしまいます。できれば、確実に受かると思える、自分に合ったアパートローンを選びたいものです。

初心者におすすめの銀行

不動産投資ローンとも呼ばれるアパートローンでは、年収はもちろんのこと、さらにアパート経営による収益の見込みも審査の基準となります。

アパートローン融資額の理想は5倍未満。年収の5~10倍未満の金額で検討していきましょう。

その他、社会的信用度、保有する金融資産の総額、取得する収益物件などによって、3倍程度が限界だったり、20倍以上でも可能かななどと、判断はそれぞれです。

銀行の選び方

初心者は、アパート経営に関する収益額の履歴が提出できないため、初心者であるが故に損失を出す可能性が高いと見られる場合もあります。

従って、借入額や金融機関を選ぶ際には、不動産収益に大きく依存することができず、年収も含めたその他の要素も大きく関わってきます。

  • 年収
  • 保有する金融資産の総額
  • 業種や勤務年数
  • 現在の住居形態(持ち家・賃貸など)
  • 物件の賃貸ニーズ
  • 不動産物件の価値
  • 頭金の金額
  • 未完済のその他の支払い

などから自己分析して、自分の状況に合った銀行を選ぶ必要があります。

年収・信用度で勝負

年収や金融資産の総額などである程度の評価が期待できると思われる方は、不動産投資が初めてでも低金利のメガバンクがおすすめです。メガバンクは審査も厳しいのですが、不動産関連の融資の種類も多く、他行よりも力を入れているのが三井住友銀行です。

三井住友銀行

三井住友銀行なら、全国的に支店数も多く、何かあった時にはすぐに窓口で相談できるというメリットもあります。また、遠方の物件にも前向きに融資を検討してくれるのが嬉しいですね。

利用対象:年齢20歳以上の個人
融資額:200万以上から1憶円以内
融資期間:1年以上35年以内

金利:変動金利型/固定特約型 1.2~3.0%

※頭金の比率(最低1~3%)や金融資産に対する負債率(60%以下)などハードルが厳しい点もありますが、1棟目の購入であれば、年収や総資産額に自信があれば初心者でもクリアできます。

地域のつながりを重視

地方銀行でも、アパートローンや不動産投資ローンが充実しているところを探すことができます。とくに、住んでいる地域の支店では信頼関係も築きやすくなります。

アパート経営にあたって、不動産、管理会社、工務店、住宅設備会社などとも関連性の高い地方銀行を選んでもいいでしょう。

北洋銀行

北海道地区であれば、北洋銀行であれば不動産関連のローンが充実しています。北洋銀行のアパートローンには、「北洋賃貸不動産購入ローン」があります。

利用対象:20歳~65歳、完済時満82歳未満の方、前年度の年収が500万以上、北海道内のエリアであることなど
融資額:200万円~5,000万円
融資期間:2年以上25年未満

金利:変動金利/固定金利特約 0.7%~2.9%

※保証人が不要で保証会社の加入が義務づけられているのが特徴です。他行と比べて、融資限度額が少ないことや借入期間も短い点が気になる人もいるでしょうが、固定金利特約の金利が0.7~1%前後であることが大きな魅力です。

横浜銀行

横浜銀行は神奈川県の銀行ですが、東京、群馬、名古屋、大阪にも支店がいくつかある銀行です。不動産投資にも比較的積極的で、賃貸住宅だけでなく商業施設や法人向けのローンも充実しています。

利用対象:20歳以上 完済時の年齢が82歳未満
融資限度額:3憶円
融資期間:新築物件20年~35年以内、中古物件20年~35年以内

金利:変動金利/固定金利指定 1.3~3.0%前後

※横浜銀行の場合は、物件の建築構造が、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨、木造などによって融資期間の上限が異なります。建物の建築からリフォーム、補修、改修などアパート経営に必要な融資を全部まとめることができます!

京都銀行

京都銀行のアパートローンには、「京銀マンションローン」があります。京都は、国内では人口減少が危惧されている中でも、伝統的な文化を誇る国際観光地の1つとして、地域活性化に特に力を入れています。

利用対象:20歳以上75歳以下 完済時年齢80歳未満
融資金額:100万円~1憶円
融資期間:2年以上30年未満

金利:2.60%~3.40%前後

※保証人不要。家賃収入による返済能力が重視されることもあり、収益物件次第では融資額が期待できる可能性も高くなります。地方創生に特化したアパート経営プランが優遇されるかもしれません!

琉球銀行

沖縄銀行は、沖縄県在住でなくとも利用できるアパートローン「沖縄大好き、夢」というローンがあります。マンション、アパート、戸建などを賃貸用に購入する人を全国から募集しています。

利用対象:20歳以上の個人、前年度の年収800万円以上
融資限度額:3憶円以内
融資期間:35年間

金利:固定金利選択型/変動金利型 利率は問い合わせ

※沖縄県は、トロピカルな南国の観光地として年間を通して賃貸の需要は国内では非常に高い地域です。年収条件のハードルが高いのが難点ですが、沖縄県は人口・世帯数ともに増加傾向にあり、賃貸率も高比率を保っているのでやり方次第で高収益も狙えます!

年収500万以下の人

購入する不動産の実質利回りも高く、賃貸ニーズも高い。さらに不動産評価も高いと思われるけれど、年収や信用度に自信がない方におすすめなのが、メガバンクとも地銀とも言えない微妙な位置にある銀行です。

大手のようにネームバリューがあるわけではない、地銀のように特定の地域に強いわけでもない、そんな銀行の中には融資対象が幅広いことが魅力になっているところもあります。

SBJ銀行

SBJ銀行は在日韓国人の資本により設立された、新韓金融系列の銀行です。アパートローンとして利用できる「ANY住宅ローン」は、ANYという言葉通りに幅広く様々な状況の人達に対応できるから嬉しいですね。

利用対象:20歳以上、日本に永住を希望する人であれば外国籍でもOK。派遣社員、契約社員OK。
融資額:100万~1億円
融資期間:3年以上35年以内

金利:固定金利/変動金利 3%~

※SBJ銀行は関東から九州にかけて幅広く展開しています。あまり聞き馴れない名前で不安に思う人もいるかもしれませんが、新韓金融グループはNY証券取引所にも上場しているから安心です。物件によっては100%以上の融資が可能な場合もあり心強い銀行です!

事業として始める人

今回、初めてのアパート経営を本格的に事業として考えていきたい方には、日本政策金融公庫がおすすめです。日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、個人事業主や中小企業を対象に低金利で融資を行っています。

日本政策金融公庫

利用対象:事業主、起業家、中小企業
融資金額:4,800万~7,200万円以内(利用者による)
融資期間:10年、20年(建物による)

金利:1.2%~2.0%

※日本政策金融公庫では、一般的にはマイナス要素となりやすい、女性、シニア、これから起業する人などが優遇されるシステムとなっています。ただし、アパート経営に対する真摯、かつ収益性を見込んだ事業計画がどれだけ立てれるのかも重視されています。

アパートローンの審査

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アパートローンの審査とはどのようなものなの?
Expert
先述のように、アパートローンは返済能力に対する信用度と、取得する不動産の評価によって審査が行われます。

審査の基準

  • 物件の収益性→収益還元評価
  • 物件の資産価値→積算評価
  • 年収・資産状況→返済能力の信用度
  • 金融機関の信用情報→返済履歴に問題がないか
  • アパート経営の事業計画→将来性

など、様々な視点から審査が行われます。

アパートローンの注意点

アパートローンの融資条件や審査の基準、金利は金融機関によって異なります。また、同じ金融機関でも支店によって基準が異なる場合もあります。

それぞれの状況に応じて選ぶ必要があり、事前の調査が大切です。

信用度や不動産の評価が影響するのは当然のことですが、結論としては、アパートローンは事業性の高いローンであるため、現実的で説得力のある事業計画を持っている事が融資を成功させるポイントになるでしょう。

必ずしも年収が低いから、融資ができないわけではなく、無理のない借入であれば年収が低い人でもハードルの高いメガバンクなどでローン審査に通ることもあり得るわけです。

複数の金融機関に相談してみて、比較検討してから、最も条件のいい金融機関を選ぶようにして下さい。

まとめ

国内では、賃貸の需要が減少傾向にあり、スルガ銀行の不正融資問題などからも、全体的にはアパートローンの融資に消極的な動向が見られています。

一方では、長期滞在も含めた訪日外国人の急激な増加や、東京オリンピックに向けての宿泊施設の需要に期待が高まっており、地方自治体による地域活性化の積極的な動きが見られています。

地方自治体などの動きも調べて、アパート経営を支援してくれる地域を選ぶこともポイントになるでしょう。

不動産の現状、そして将来を考えた上で高いニーズが期待できるアパート経営を計画していきたいものです。

アパートローンの金利が1%違うだけで、長期返済で考えるとかなり大きな金額の差がついてしまいます。アパート経営を成功させるためにも、少しでも金利の低いアパートローンを活用していきましょう。

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