目次
投資信託とは
投資信託のメリット
少額から始めることが出来る
分散投資が気軽に出来る
積立方式で購入することが可能
iDeCoで投資信託の利用が可能
プロに運用を任せることが出来る
資金は分別管理されている
- 販売会社は、証券会社や銀行などの顧客に投資信託を販売する会社です。
- 運用会社は、販売会社が集めた資金を実際に運用する会社です。
- 信託会社は集めたお金を一般の経営資金とは別に管理するための会社です。
投資信託のデメリット
コストが高い
- 購入時手数料…3%
- 信託報酬…2%
- 信託財産留保額…0.5%
運用の中身が分かりにくい
投資信託のデメリットの2つ目は、運用の中身が分かりにくいことです。
投資信託はたくさんの株や債券、不動産で運用されているので運用の中身が分かりにくいです。
どのような原因で上昇下落したのかを明確に知りたい方には投資信託は向いていないかもしれません。
投資信託は元本保証ではない
投資信託のデメリットの3つ目は、投資信託は元本保証ではないことです。
投資信託は株や債券、不動産などで運用する商品なので当然ですが元本の保証はありません。銀行預金は預けている銀行が破たんしなければ元本の保証はありますが、投資信託は元本の保証は一切ありません。
いくらプロのファンドマネージャーが運用するにしても絶対に成功するとは限りません。運用が失敗してしまった場合の損失は、投資家が被ることになります。
銀行員の評価体系
この章では銀行員がどのように評価されるかについてお話します。今は少し変わってきていますが、5年くらい前まではとにかく収益を上げた担当者が評価される評価体系でした。
収益を上げるためには1,000万円分金融商品を販売した場合、手数料が1%の商品だと10万円、手数料が3%の商品だと30万円の手数料になります。同じ1,000万円の販売をするなら少しでも手数料の高い商品の販売をしたほうが効率が良いのです。
しかも一人の担当者の目標は、毎月1,000万円くらいの販売収益が求められるため、より手数料の高い商品の販売に走っていきます。数字の達成が出来ないとものすごく怒られますし職場に居づらくなります。
また数字を上げていないと評価が悪くなるので出世にも影響するのでみんな必死に数字を取りに行きます。
手数料最重視の評価体系なので銀行でおすすめされる投資信託は手数料が高いものが非常に多いのです。(しかしここ2~3年の評価体系は少し変わってきてストック重視の考え方に変わってきています。それでも手数料は評価上、重視されることに変わりはありません。)
銀行の投資信託の販売姿勢
この章では銀行の投資信託の販売姿勢についてまとめます。これを読むと銀行で投資信託を購入することは大きなリスクであると感じて頂けると思います。
回転売買には要注意
銀行の投資信託の販売姿勢は、最近は少し変わってきていますが、5年くらい前まではとにかく回転売買することが主体でした。
回転売買とは、現在保有している投資信託を売却させて違う投資信託を購入させる手法です。回転売買を仮に1つのファンドで年3回行った場合、投資信託の購入時の手数料が3%だとすると年間で9%の手数料を稼ぐことが出来ます。
もし1億円の投資信託の残高でこれを行えば年間で900万円もの手数料を稼ぐことが出来ます。顧客からしても今ある投資信託を別の投資信託に切り替えるだけなのであまり抵抗なく回転売買に応じる顧客が多いです。
しかも高額の投資信託を持っている顧客は高齢者であることが多いため銀行員を信じやすい傾向にあります。銀行はこの手法を使って大きな手数料を稼いでいました。
金融庁からの指導もあって最近はだいぶこの回転売買に関しては下火になりましたが未だ完全になくなっているわけではないので注意してください。
投信を解約させてくれない!?
最近の投資信託の販売状況は収益はもちろんですが、ストック(残高)も重視される傾向にあります。
なぜストックが重視されるかというとストックが多くあれば「信託報酬」で収益を稼ぐことが出来るからです。
これはまさに住宅ローンに代表される昔ながらの銀行の収益モデルです。ローン残高が大きければ金利収入も大きくなるので銀行は何もしなくてもローン残高があれば収益が上がり続けます。
まさに安定的な収益源になるため銀行は、投資信託でもこのビジネスモデルを目指しています。投資信託のランニングコストである信託報酬を収益の柱にすることで安定的に収益をあげることが出来るのです。
今までは、購入時に入ってくる手数料のみを重視してきましたが相場の良し悪しによって収益が大きくぶれるためランニングコストである信託報酬に軸足を移したのです。信託報酬に収益の軸足を移すことは回転売買が減るので良いことです。
しかし新たな問題も生まれています。ストック重視の評価体系になると投資信託を解約されると影響が大きくなってしまうのです。特に大口の解約が起きてしまうと評価に大きな影響が出てしまうため顧客が解約をしたくても担当者に止められることも少なくありません。
銀行員の投資信託の知識
銀行員の投資信託に対する知識ですが、基本的にはあまりないと思ったほうがいいです。
もちろん担当者によって大きく知識の差はありますが、概して証券会社の担当者のほうが知識はあります。なぜなら証券会社の担当者は朝6時くらいには出勤をしてその日のマーケットの確認や推奨銘柄の確認などを行っています。
一方、ほとんどの銀行の出勤時間は8時です。9時には開店するので開店準備やらでマーケットの確認をする時間がありません。
この小さな積み重ねが大きな違いになってきます。マーケットの基本的な知識も証券会社に劣っていますが、投資信託の知識もやはり証券会社の担当者に比べると劣っています。
現在銀行では、預金、投資信託以外に外貨預金、生命保険、医療保険、がん保険などの保険商品、債券、ファンドラップ、仕組債、仕組み預金、遺言信託、iDeCoなど多種多様な商品の販売をしています。
これだけたくさんの商品を1人の担当者で販売をしているのでどうしても投資信託の勉強に充てられる時間は少なくなってしまいます。投資信託は、毎月 1本以上のペースで新しい商品が導入されているので、なおさら1本の投資信託に充てられる時間は少なくなってしまうのです。
投資信託の勉強をする機会は。新しいファンドが発売されたときに行うファンド会社主催の勉強会くらいになってしまうのです。
投資信託に対する銀行員の本音
では実際に投資信託の販売をしている担当者の本音はどのようなものなのでしょうか。
銀行員の本音について3点に分けて紹介します。
■投資信託は長期保有してほしい
収益に追われているとはいえ、ほとんどの担当者には良心があります。以前、NHKクロズアップ現代で銀行の投資信託の実態について特集されていました。やはりどこの銀行の担当者もノルマがきびしいことから投資信託の回転売買を行っていたようです。
しかし手数料がかさみ、顧客が損する可能性が高いものを勧めている罪悪感は非常に大きいです。投資信託自体は決して悪いばかりの商品ではありませんが短期で回転売買してはどうしても顧客は儲かりません。
しっかり顧客に利益を取ってもらうためにも投資信託は長期で保有することが必要です。
アクティブファンドではなくインデックスファンドを持ってほしい
手数料の高いアクティブファンドではなく、手数料の安いインデックスファンドを顧客に長期保有してほしいと思っている銀行員は多いです。
インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数に連動する投資信託です。アクティブファンドとは、ファンドマネージャーの裁量で運用しインデックスファンドより良い運用成績を目指すものです。
一見するとアクティブファンドのほうが良い商品に思えるかもしれません。
しかしアクティブファンドは、手数料がインデックスファンドよりも高いことが多く、また運用成績もインデックスファンドのほうが良いことが多いのです。
銀行員は、収益を稼ぐには、アクティブファンドを売らざるを得ないのですが顧客に利益を出してもらうためにはインデックスファンドを販売したいのが本音なのです。
高齢者に投資信託を販売したくない
銀行員の本音は高齢者に投資信託の販売を行いたくないのです。
お金を殖やす必要があまりない高齢者に投資信託を販売することは良心が痛みます。
高齢者は一般的に現役世代に比べて社会との接点が少ないため判断力や理解力が劣っているケースが多いです。そのような高齢者に投資信託を販売すると本当に胸が痛みます。
また販売した後に家族からクレームが発生する可能性もあるので極力高齢者には投資信託を販売したくないのが銀行員の本音です。
まとめ
今回は、銀行で投資信託は購入する際の注意点についてまとめました。
銀行で投資信託の窓販業務が始まって約20年が経ちます。投資というと証券会社と取引をしなければいけないというイメージを銀行は大きく変えました。
銀行で投資信託の購入が出来るようになったことで投資商品の敷居はかなり低くなりました。多くの人が預金以外の投資商品について知る機会が出来たことは銀行で投資信託を販売したことによるメリットです。
しかし、銀行で投資信託を購入することには様々な問題があります。
銀行員の評価のされ方や銀行の投資信託の販売姿勢に問題があるので銀行で投資信託を購入することは現状おすすめすることが出来ません。
金融庁からの指導もあり、顧客本位に銀行は変わるとはしていますがもうしばらく時間はかかると思います。
もし銀行で投資信託を購入する場合は事前によく投資信託について調べてからにすることをおすすめします!