フリーランスが抱えるお金を借りる悩みを解決。創業から日常のことまでフリーランスの方が知っておきたいお金を借りる様々な方法

会社に勤めることなく、自分でその道を切り開いていくフリーランスにとって、お金への心配は一般の社会人以上に大きなものです。

 

仕事を十分請け負えてなかったり、事業分野によっては機材の購入経費やオフィスの賃料、人件費などがネックであったりします。

 

そこで、ある程度仕事の目途やお金を返す見込みがあれば、「お金を借りる」という方法で問題を解決することができますが、フリーランスがまだ日本では社会的認知度が低かったり、始めた当初では事業実績が無いといった理由で資金調達を半ばあきらめてしまいがちです。

 

しかし世の中には、そういった懸念を払拭しフリーランスの方でもお金を借りることができる方法が存在しております

 

それは既存の金融機関や各種ローンはもちろん、IT化が著しい現代ならではの思いも寄らないお金の借り方もあるのです。

 

そこでこれから、フリーランスの方がお金を借りる方法についてお話ししていきます。

 

 

 

お金を借りるのにあたってまずは知っておきたい重要なポイント

まずはお金を借りる際に必要となってくる基本的な事柄について説明します。これは今回のフリーランスのケースのみならず、多くの借入れの際に共通するものです。

 

 

「お金を借りる人の信用」

 

  • しっかりと仕事をしている人かどうか
  • ちゃんとお金を返してくれる人かどうか

 

 

お金を貸す側は非常にシンプルなこの2つの心理状態を抱えています。一般のカードローン、住宅ローン、事業系のローンなどなどその種類を問いません。

 

そこでお金を借りようとしている人は、上記2点がクリアできることを証明しなければなりません。

 

例えば、(一般論として)いい会社に勤めている、勤続年数が長い、土地などの担保がしっかりしているといったことをアピールし、お金を借りることに結びつけていくわけです。

 

それでは次にその返済能力をアピールする方法等を紹介します。

 

 

「クレジットカード等の利用履歴があると相手に分かりやすい」

以前からクレジットカードを利用している場合、その履歴が信用情報機関(JICC、CICなど)に保存されており、他のローン審査等でも参照されることから、貸付側へスムーズに信用状況を伝えることができます。

 

一般人の感覚として、借入先がいくつかあると借金ばかりしているイメージが付き不利なのではないかと思われますが、それまで返済が遅延なく行われきれいな履歴であれば、むしろ新規融資の申し込みには大きなアピール材料となるのです。

 

ただ年収から自ずと借入れ総額は想定されてきますので、やはり節度を保ち計画的な利用が賢明です。

 

 

「納税証明書、確定申告書、印鑑証明、本人確認書類などの公的書類」

審査においてはお金を借りようとする人の金銭的な状況のみならず、社会的に逸脱等がないかどうかもチェックされます。

 

これは公的書類の有無だけでなく、納税証明であれば発行日が比較的新しい(6カ月以内など)ものであるか、運転免許証であれば有効期限が切れてないかどうかといった点が重要です。

 

こういった書類をしっかり用意できる人であれば、ローン開始後も毎月確実な返済が期待できるのではないかと金融機関などは判断するようになります。

 

また、事前に開業届を税務署に出しておくことも有効です。税制面で有利になるばかりでなく、お金を借りる際においても審査側に対し、自分を通常の個人から事業を行う事業主へと認識させやすくなります。

 

 

「実は確固とした審査ルールを知ることはできない」

各審査機関において、悪用や不正な申請が行われるのを避けるため、その融資審査の基準は公開されておりません。

 

「A銀行のローンは審査が甘いから無職でも大丈夫」「事業実績が2年程度ないとダメ」などのような書きこみやページがネット上で見られますが、それらはあくまでも利用者の推測の域を出ず、また本当の審査基準は利用者・経験者であっても知ることは不可能です。

 

従ってフリーランスの方でも、ちょっとした請負実績から他のローン利用経験、公的書類の適正な準備、それでもダメなら多くの窓口をあたってみるなど、お金を借りる可能性を高める努力を常に行っていくことが大切です。

 

 

 

創業等にあたっての資金調達手段

 

日本政策金融公庫

 

 

財務省が所管する法に基づいた金融機関(株式会社)です。

 

中小企業や個人事業主、フリーランスなどの方が融資を得るにはまずはこちらを参照してみるのがいいです。

 

融資金額や事業の目的に応じて数多くのお金を借りる制度がありどれにすべきか迷うところがありますが、相談用フリーダイヤル(トップページに記載)やメール相談、資料請求ができるので、無理なくお金を借りる過程を進めることができます。

 

融資対象となる業種にほぼ制限が無く、最大4,800万円までの融資を受けれる制度が多いです。

 

金利については様々な条件の中で変化しますが、おおむね3%以下と非常に低く設定されております。

 

ただし、審査が終わるまでに1カ月程度(あるいはそれ以上)かかる場合があり、スピーディーな資金調達方法ではありません。

 

しっかりとした事業計画を備えお金を借りることを急がない方には向いている方法です。また開業届やある程度の事業実績が必要な融資制度も存在します。

 

出典:(株)日本政策金融公庫

創業支援ページ

 

 

 

中小企業制度融資

出典:東京都産業労働局

 

 

これは、各地方自治体(県、市など)が実施している制度で、基本的には日本政策金融公庫とほぼ同じく多くの業種への貸付を行っています。

 

ちなみに東京都の例を挙げますと、融資限度額は3,500万円(自己資金が無い場合2,000万円)、金利は最大4%未満(変動あり)、都内で事業を営んでいて各種申告や滞納がないことなどが条件となっています。

 

また「信用保証協会」からの認定が必要です。これは、フリーランスや個人事業主、中小企業等が融資を受ける際、この協会に保証人になってもらうというものです。

 

Expert
信用保証協会は、融資先の返済が滞るなどの問題があった場合、融資先に代わり一時的に返済を代弁します。

 

この他にも東京都ではいくつかの融資制度を運営しております(下記リンク参照)。みなさんの住んでいる街の自治体をあたってみるのもお金を借りる第一歩です。

 

出典:東京都産業労働局

 

 

フリーランスレンディング

クラウドワーキングサイト「ランサーズ」で運営されている融資制度です。

 

 

ランサーズの会員である程度の受注実績がないと利用できませんが、ランサーズを利用している実績がそのまま審査対象となるので、申請作業が非常に楽なのがポイントです。

 

100万円まで借入れが可能で全てウェブ上でやり取りができスムーズなお金の借り入れができます。

 

 

 

クラウドファンディング

「クラウドファンディング」という言葉を1度は聞いたことがあるのではないのでしょうか。インターネット上で資金調達のアピールを行い、一般の人達からお金を提供してもらうものです。

 

現在このクラウドファンディングを運営しているウェブサイトがいくつか存在し、主なサイトしては次のようなものがあります。

 

 

 

お金を借りることにあたっては、資金提供者に見返り(リターン)を出さない「寄付型」、リターンを出す「投資型」、プロジェクトに関わる商品やサービスなどを提供する「購入型」があります。

 

サイトへの申請にあたっては各サイトで若干の違いがありますが、まずは相談からスタートさせ、詳細(目標調達金額、募集期間、事業内容など)を決定し、一般に公開するといった流れです。

 

 

法人カード

フリーランスや個人事業主の方でも法人用のクレジットカードを作成することができます。ネット上で申請が完結するその手軽さや審査通過の可能性の面から意外とあなどれない存在となっています。

 

法人カードは基本的には通常のクレジットカードの上位ランクカード的なもので、利用限度額が大きいことや、海外出張などで使える付帯サービスが充実しているのが強みです。

 

またECTカードや社員カードなど派生的なカードを複数作成することができたり、複数人による様々な出費を法人カードで一元管理ができるなど、管理や経理の面でもそのメリットが多く存在します。

 

 

 

事業運営の助けとなるお金を借りる手段

収納代行&スピーディな入金

「フリーナンス」

出典:GMOクリエイターズネットワーク(株)

 

 

仕事をある程度受けていくなかで、取引先からの入金が翌月末や翌々月先、そうでなくてもやり終えた分だけはすぐにでもお金が欲しいといったケースも考えられます。

 

「フリーナンス」は、そういったほぼお金の回収の見込みがある方に対しフリーナンスがその請求書を買い取ることで担保とし、取引先からの入金を待つことなくフリーナンスからお金を借りることができるというものです。

 

アルバイトにおける給料の前払いのようなものと考えれば理解しやいのではないかと思います。

 

お金を借りることではありますが、働いた分だけ(所有する請求書の分だけ)の借入であるため、通常のローンキャッシングなどよりも心理的な負担が軽いのがメリットです。もちろんお金がスピーディーに手に入ることも大きなメリットです。

 

またフリーナンスは、「日本初のフリーランスに特化した収納代行&即日払いサービス」でもあり、これからのサービス充実に期待したいところです。

 

「運営会社:GMOクリエイターズネットワーク()

 

 

「フリーナンスの基本的な内容」(抜粋)

  • 買取り手数料・・・請求書金額の3%
  • 口座維持手数料・・・無料
  • 振込手数料・・・無料
  • 買取金額・・・1万円~300万円
  • 与信スコア・・・フリーナンスにおける利用者の実績 など

 

 

上記「与信スコア」は、フリーナンスを繰り返し正常に使うことで数値がアップし、その結果、買取手数料の減額や買取金額の上昇を見込むことができます。

 

出典:GMOクリエイターズネットワーク(株)

 

 

ファクタリング

フリーナンスで行っているサービスは「ファクタリング」と呼ばれているお金の借り方で、フリーランスだけでなく、一般の中小企業などでも利用されております。

 

サービスが存在する背景には「早くお金を得たい」といった企業側の弱い心理があるからなのですが、そこに付け込んで手数料を高く設定したり、取引先にこのことを知られたくない利用者の弱みを逆手に取り悪質な行為を働くファクタリング業者も存在しております。

 

従って、その他多くのファクタリングサービスを検討する際にはこのことを十分理解し慎重な判断を行うことが大切です。

 

 

セーフティネット保証制度

出典:中小企業庁

 

 

これは取引先の倒産や活動規模縮小による契約への影響、金融機関の破たん、突発災害などといった緊急時にお金を借りる際に助けとなる制度です。

 

中小企業庁が管轄となっていますが、実際の利用においては各地方自治体に出向いて行うこととなります。

 

申請における簡単な流れとしては、まずは各市町村の商工関係部署に行き申請用紙を手に入れ、後日その申請書を提出し制度の認定を受けます。

 

その後、希望する金融機関又は事業所の所在地を管轄している信用保証協会に行き保証付き融資を申し込むといった流れです。

 

またこれは、融資制度ですので審査を受けるかたちとなり、必ずお金が借りられるというわけではありません。

 

 

 

 

日常生活などを支えるお金を借りる手段

 


フリーランスとして生活するにあたっては、業務だけでなくプライベートにおいてもお金は悩みの種。そこでここでは、普段の生活の助けとなるような方法を紹介します。

 

 

携帯キャリアが運営する「電話料金合算払い」とプリペイドカード

NTTドコモ、au、ソフトバンク各社において、スマホ等で利用した様々なサービス利用料を翌月に携帯代金と一括で支払うものがありますが、その中で「外での買い物に使えるルート」というものがあります。

 

ドコモを例にお話ししますと、ドコモでは「dカードプリペイド」というプリペイド式カードを発行しており、そのチャージにドコモの電話料金合算払いを使うことができます。合算払いは後払いなのでお金の支払いを遅らせることができるのです。

 

dカードプリペイドについては、クレジットカードではないので審査が無く無料で作ることができます。カード銘柄は「MasterCard」のみです。

 

マスターカード加盟店であればこれによって日常のちょっとした買い物などを間に合わせることや、取引先からの入金待ちの間の生活をつなぐことができるようになります。

 

また返済手数料が無いことや、気軽に利用できること、ドコモなのでdポイントを貯めることができるといったメリットがあります。

 

出典:NTTドコモ

 

 

電話料金合算払いの月の利用限度額は最大10万円。ドコモの利用年数や料金の支払い状況により1万円から5万円になる場合があります。

 

 

「他の携帯キャリアの場合」

  • au

「au Walletプリペイドカード:mastercard」に「auかんたん決済」からチャージ

  • ソフトバンク

「ソフトバンクカード:VISA」(プリペイド式)へ「ソフトバンクまとめて支払いチャージ」を実行

 

 

その他日常生活で使えるお金を借りる手軽な手段

「ドコモ口座」

出典:NTTドコモ

 

ドコモが運営するネット上のバーチャル口座というもので、こちらはネットでの利用のみとなりますが電話料金合算払いが使えることから、急な出費での利用には便利なものとなっています。

 

また、Visaプリペイドカードも用意されており、カード番号からネット上での買い物に使うことができます。

 

カード番号の利用にあたっては月1回までは無料ですが、2回目以降は110円(税込)の料金が発生します。定額パック(月220円(税込))も用意されております。

 

 

dカード mini

ドコモ携帯で電子マネー「iD」をおサイフケータイから利用するものです。こちらも翌月払いとなっておりますが、限度額が最大3万円と低いのがネックです。利用状況により限度額が5,000円か1万円になる場合があります(ドコモにより決定される)。

 

「バンドルカード」

2万円までを無審査で借りることができるVisaプリペイドカード。アプリ・実物のカードがありますが、チャージ手数料や利用しない時の維持手数料に注意が必要です。

 

出典:(株)カンム

 

 

お金を借りる方法以外の生活を支える手段

「ネット銀行」

これはお金を借りる手段ではありませんが、お金の振込や支払い、ATMの利用・預金金利の面など、ネット銀行の金銭面におけるメリットは非常に大きいです。

 

日常での利用だけでなく取引先とのお金のやり取りにおいても同じネット銀行同士であれば、振込み手数料が無料であったり素早い入金を得ることができるなど様々なメリットがあります。

 

普段使っている金融機関が既存の銀行等であればちょっと見直してみるのもおすすめです。

 

 

「小規模企業共済」

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構

 

 

これはお金を毎月積み立て、事業廃業時に積み立てたお金を退職金(共済金)として受け取ることができる制度です。

 

この制度の特徴は積立金をただ預けるだけでなく、加入中に低金利で借入れができたり、毎月の積立金が1,000円から500円単位できることや、また満期もなく中途解約できるなど、非常にメリットが多く使い勝手が良い制度です。

 

 

以下にそのメリットをまとめておきます。

 

  • ほとんどの業種で対応している(加入資格ページ
  • 積立は毎月最低1,000円から少額でできる
  • 実績がなくても開業届の写しを提出することで申請ができる
  • 掛金は確定申告においては「全額控除」、節税効果に優れている
  • 加入中の借入れができる(低利息が発生)
  • 満期や規定積立額がない
  • 共済金の受取は一括・分割いずれも可能
  • 個人事業の廃業や法人への移項で解約しても共済金が受け取れる(関連ページ) など

 

 

 

 

まとめ

フリーランスの方でも様々なお金を借りる方法が存在しています。既存の融資形態からオンラインで手続きができる最新のものまで、ご自身の目的や利用環境に合わせ色々な借り方ができるようになっています。

 

その中でやはり大切となってくるのが「借りる人の信用」。また実は、創業前よりも既にある程度事業をやっている方が有利であることは確かです。

 

審査においては、本来その審査基準が非公開となっていることから活字だけではどうしても伝えきれない所があります。

 

しかし今回取り上げたお金を借りる方法以外にも、数えきれない種類の方法がありますので、お金を借りるチャンスは常にまわりに広がっているということを認識するのが大切です。

 

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